過去のひと言


2008年12月 現場の緩み

もう12月。あっと言う間に今年もあとわずか。それにしても、この景気の悪さ、何とかしてもらえないでしょうか。と愚痴っても、未曾有、頻繁、踏襲などが読めないどこかの国の首相にはとても無理難題な気はします。

日本の政治と政治家に対するいつもながらの失望感の中、11 月初旬は米国大統領選挙の報道をずっと見入っていました。本当に、オバマ氏のスピーチには心を動かされます。しばらくの間、ウェブでオバマ氏のいろいろな スピーチを探し、聞き入っていました。選び抜かれた言葉、その言葉に込められた力・・・まさに圧巻。しかし、わずか数十年前まで激しい人種差別が行われて いた国とはとても思えません。どうして、この国ではこのようなCHANGEが起こり得るのでしょうか?

ひるがえって、我が愛すべき国、日本。明治維新の大改革を起こしたこの国で、わずか、150年も経っていないのに、なぜこれほどまでに政治が堕落してしまったのでしょうか?

話は変わりますが、先日、世田谷マラソン(ハーフ)に出場。えらく良い記録で気をよくしていたところ、「誘導ミスで約1 キロ距離不足だった、公認記録にはなりません」との主催側の発表。誘導ミス?・・・この大会は今年で3度目、気合を入れてコースを変更し、今年から公認 コースとして新たにお目見えの大切な大会のはず。気がついてみると、トップだけではなく現場の世界まで歯車が緩み始めたようです。

良い話というと、東京マラソンの出場抽選(競争率7.5倍)に当選。しばらくの間、不景気を忘れ、東京マラソンに向けてひたすら走り続けることにします。皆さん、良いお年を。

2008年11月 20年を経て

米系の経営コンサルティング会社を辞め、友人と共に新たなコンサルティング会社を始めるまでの数年間、米系の投資銀行でM&Aなどの投資アドバイザリー業務に携わっていた事があります。

思い起こせば、転職後、その投資銀行に初めて出社したのが1987 年10月19日(月曜日)・・・米国株式の大暴落が始まった日、いわゆるブラックマンデーでした。どういうわけか、日本はまだまだバブル景気が続いていた のでどうもピンとはこなかったのですが、米国では、それから数ヶ月にわたり、激しいリストラの嵐が吹きまくりました。そして、それから数年後、日本もその 影響を免れる事はなく、1991~93年にかけてバブルが崩壊し長い低迷期に入ります。

今、アメリカ金融市場の拡大がCDSを始 めとした危険なレバレッジに支えられ、新規商品の誕生に規制がまったく追いつかず、ひいては世界同時の株式暴落を引き起こしたという現実を見せつけられ、 まさに、今回の株式暴落とブラックマンデーの間に存在する20年という時代の変化とその意味を考えざるを得ません。

2008年10月 何を諦めるか

9月28日に、私の訳書“不合理のマネジメント”(ダイヤモンド社)が発行となりました。“合理的”とは、“理にかなっている、すなわち、常識をわきまえ る、世の中のその他大勢の考え方に従う”ということ。しかし、それではいつまでたっても先頭を走る事は出来ない。とりわけ、世の中の常識が変化する時代に あっては、決してその変化をリードする事は出来ない。・・・本書は、変化の時代の先頭を切ろうとする経営者や企業家に向けた本です。

本書には幾つもの名言が登場するのですが、その中で私のお気に入りをご紹介します。「私たちを豊かにするのは、何を手に入れるかではない、何を諦めるかである」(ヘンリー・ワード・ビーチャー)。うーん、この歳になって身にしみる言葉です。

読書の秋。じっくりと本でも読みたい気分ですが、私にとって、秋は仕事も忙しい季節で、かつ、マラソンに向けて走りこまねばならない季節でもあり、かつ、・・・いろいろある季節です。

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