2017年11月 横浜マラソン中止に思う
10月29日に予定されていた第3回横浜マラソンが台風のために中止になった。結果からみれば これは正しい決定だった。走ることだけをかんがえれば多少の風雨でも大丈夫だが 多くの給水・給食ステーションが仮設テントで設営されることを考えれば 強風の中の開催は危険すぎる。開催中止後の連絡も概ねよかったと思う。なかなかに迅速な通知だったし 完走タオルの追走 次回大会への優先参加など 内容的に見ても妥当な結論だと思う。
しかし そもそも どうしても解せないのが開催月の変更である。第1回と2回は3月下旬の開催だった。それが突然のように今年の第3回開催から10月末に変更になったのだ。異常気象の今日 10月の台風など珍しくもなんともない。しかも台風がないとしても 10月のマラソンなどまったくランナーのことを考えていないかのような日程設定だ。一般市民ランナーから言わせていただくと
● 10月末は市民マラソンには暑すぎる。この時期に3万人近い市民ランナーを走らせるなど無謀に近い。おそらく救急車のお世話にある人は3月開催の3倍くらいになるのではないだろうか
● 次に 同じ暑さという観点から 10月開催では十分な準備ができない。一般市民ランナーの場合 大会の3か月前くらいからトレーニング量を増やすことになる。となると 10月開催に間に合わせるには遅くとも7、8月くらいから走る量を増やしていくことになる。酷暑の時期である。これでは満足な練習量を維持するのは難しい
● 更にもう一つ別の観点からも 10月開催では準備に時間をさけない。一般企業に勤務するビジネス・パーソンにとっては9~10月はどうしても仕事で忙しい時期だ。この時期に走る量を増やすのはなかなかに難しい。3月開催の場合 普通の人は1~2月は仕事的にはゆったりしている時期なので 十分に走る時間も取れるのだ
ちなみに今迄10月に開催される大型市民マラソンとしては 10月下旬に開催されていた大阪マラソンが唯一だった。他の大型マラソンはすべて11月以降の開催だ。ところが 大阪マラソンも酷暑との悪評に勝てず 参加者倍率は当初の5.5倍から4.2倍に確実に低下していった。そしてついに今年から 大阪マラソンも10月下旬開催をギブアップし11月下旬に日程変更することになった。今年は11月26日開催予定だ。実は神戸マラソンがこの一週間後(11月19日)の開催なのだが 日程の正面衝突覚悟のうえでの変更ということだ。
横浜マラソンは大阪マラソンの状況からまったく学んでいない。しかも まったく逆のことをやっているのだから何とも言葉が見つからない。もしかして10月開催にすれば2月開催の東京マラソンと競合しないので参加希望者が増えるとでも思ったのだろうか。参加者の立場でいうと 1か月空いていれば両方走るのには十分である。もし期待ほどに申し込みが伸びていないのであれば それは日本一高い1万5千円の参加料のせいではないだろうか。あるいは前日までに済ませなければならない現地での参加手続きのせいもあるかもしれない。(私はこのためにわざわざ高騰する横浜のホテルに前泊することにした。今回の中止でそのホテル代も無駄となってしまった。)
今回の台風騒動をきっかけにぜひ開催日の再考をお願いしたい。