2022年1月 31年目の始めに
弊社を設立したのが1992年。また 今メインの活動となっている「考える技術・書く技術」の研修を始めたのも1992年。つまり 今の私の起点となった年が1992年。ついに今年 その起点から31年目に突入した。昔はよく会社の平均寿命30年と言われていたので それなりの歴史を刻んだものだと感慨深い。
振り返れば 会社を設立して数年は 外資系企業経営者のお誘いもあり 経営者の途を目指すか 一匹狼の専門職の途をめざすか迷った時期もあった。結局 好きな経営コンサルティングとこれまた好きな教育研修の途を選んだのは賢い選択だったと思う。よく考えれば部下を使う経営者など私に向いていないし 何より好きとは言えない。コンサルティングや研修はともに一人で出来る商売であるのが私の性に合っている。
更に20年近く前 当時 コンサルティング収入9割 研修収入1割だった仕事の比率を逆転させることを考えた。ともに好きな仕事だったのだが コンサルティングは一人でやるにはきつかった。私のコンサルティングはお客チームとの連携作業であり かつ必要に応じて調査会社などを活用するのだが それでも時間的に同時進行でこなせるのは2つの仕事まで。これを適度な量でこなすのは難しく 結局 大忙しか 暇でしょうがないかのどちらかだった。忙しい時は体力的にきつく 暇なときは精神的にきつかった。
事業転換を目指した結果 一時的に売上を半分近くに落としたものの 2年がかりで収入の大半を研修事業に切り替えることに成功。以降 「考える技術・書く技術」をコアにした研修が仕事の中心になっている。心優しき友人はそうした私を指して「本当のプロフェッショナルだ」と言ってくれた。しかし 私自身はどちらかと言えば「職人」という言葉を気に入っており 自分の仕事は職人仕事だと思っている。
職人には引退はないし 引退のことなど考えもしない。体が動く限り 客がいる限り 仕事は続ける。それが職人だ。まあ今の状況ならば 私もあと10年は全く問題ないだろう。たまに お客さんから「考える技術・書く技術」の研修を引き継ぐ人はいるのかと聞かれることがあるが 残念ながら 私の研修も 職人仕事に共通して後継者難である。というか 職人仕事を引き継ぐのはとても難しい。もっと言えば そもそも職人はおそらくは後継者のことなどあまり考えないと思う。それが職人技というものだ。自分と同じように好きで自分と同じように思い入れの強い後継者などいるわけがない・・・と普通の職人ならば思う。
ただし 客に迷惑はかけられない。辞める時には研修動画を充実させ それをリピート客への置き土産にしようと考えている。そうした気持ちはあるのだが 一方で 昨年から「仮説アプローチ」研修などの新プログラムも始めている。また「添削コース」などへの問い合わせもある。まだまだ現状は 終わることへの準備よりも新たなことへの準備の方が忙しい。まあ 職人とはそういうもの。
さあ今年はどんなことに挑戦するか。一つくらいは新しいことにチャレンジしてみよう。
皆さま 良いお年を。