2022年11月 東京レガシーハーフの高価格と非効率
先月 東京レガシーハーフマラソンと横浜マラソンに出場した。東京レガシーハーフは東京マラソンの成功を受けて ハーフも開催ということになったらしい。今年がその第一回大会だ。主催は東京マラソン財団(東京都と日本陸上競技連盟の設立)。はっきり言ってお役所である。今回は横浜マラソンと比べながら そのお役所仕事ぶりについて一言触れておきたい。もちろん主観である。
東京レガシーハーフのウリは新しい国立競技場をスタート/ゴールに設定したことだ。東京オリンピックで使われた日本最新最高の競技場で走れるというのはランナーにとっては心が躍る。ただそのウリだけで参加料が20,700円というのは たとえPCR検査料を含むにしても異常に高い。ちなみに 同様に新国立競技場をスタート/ゴールする2023年1月開催予定の新宿シティハーフマラソンは12,000円だ。
通常ハーフマラソンの相場は5,000~7,000円(PCR検査なし)。フルマラソンでも2万円を超える大会はあまりない。フルマラソンは東京マラソン(2023)で23,300円 大阪マラソン(2023)で23,000円 横浜マラソン(2022)で2万円。高速道路を貸し切って走る横浜マラソンは高額な参加費で以前から有名だったが 東京レガシーハーフはそれを上回る。
東京レガシーハーフはどうみても合理化努力にかけていた(と思う)。要はお役所的な発想だ。以下 横浜マラソンと比べてみたい。
- 東京レガシーハーフは東京マラソンと同様に 事前受付のために本人が国立競技場まで出向かなければならない。代理出走防止とPCR検査のためらしい。しかし この2日間の受付に伴う人件費だけで大変。とてもボランティアだけでは賄いきれない。
- 横浜マラソンでは事前受付はオンライン。この事前受付で顔写真登録することになっており これを大会当日にチェックする。当日の入場チェックをしっかりやればこれで代理出走は防げる。たしかにわざわざ事前受付に来させる東京レガシーハーフと比べれば緩いが 代理出走防止目的ならば 必要十分に思える。
- もう一つの事前受付の目的はPCR検査らしい。しかしそもそも 今となって全参加者にPCR検査が必要なのだろうか。ワクチン接種証明書で充分ではないか。あるいは唾液PCRキットを事前送付し その画像をスマホで送るようにすればよい。ちなみに富士五湖ウルトラマラソンではそうやっていた。横浜マラソンではPCR検査そのものを省いている。
- また東京レガシーハーフの事前受付では 事前にスマホで電子チケットをダウンロードし 受付で電子承認をする。コンサートの電子チケットと同じ要領だ。しかし電子チケットのダウンロード先が東京レガシーハーフではなくスポーツエントリー(申込み代行業者)のURLなのでやたらと面倒だ。もちろん 電子チケットそのものに慣れていない人が多く 三人に一人はトラブルを起こす。そのたびに係員がつきっきりで説明することになる。ここまでくるとボランティアでは手に負えない。無論 スマホを持っていない人は当初から参加申し込みの対象外だ。ちなみに横浜マラソンでは電子受付のダウンロードは必要だが 電子承認などはない。
- もっと言えば 東京レガシーハーフも横浜マラソンも 今や一般的となった体調管理アプリへの記入が必要だ。しかし こんなの自主記入だから意味がない。大会当日に体温チェックし紙一枚の誓約書をだせばそれで十分だろう。
どうでしょう。こうした無駄の積み重ねを取っ払えば あと数千円は参加費用を値下げできるはず。コースがよいだけに 東京レガシーハーフの来年に期待したい。