2009年5月No.1 トイレ考
素人ランナー は、マラソン大会のスタート前になると、朝の寒さやウォーミングアップによる膀胱への刺激などから、やたらとトイレに行きたくなります。かくして、マラソ ン大会で準備される仮設トイレの前はいつも長蛇の列。これこそが素人ランナー共通の悩みであり、恐らくは、大会主催者の共通の悩みに違いありません。以下は、私が今シーズン出場した3度のハーフマラソン(世田谷246、神奈川ハーフ、立川・昭島)と3度のフルマラソン(NAHA、東京、長野)を対象にした、主観と偏見に満ちた仮設トイレ評です。
1) 最優秀賞:立川・昭島ハーフマラソンの男子用仮設小便器。スタート地点にあった男性用仮設小便器にはびっくりしました。砂のような水分吸収剤が詰まった専 用パックを受け取り、ダンボールでできた小便器に自分でセットし、それに向かって用を足します。用を足した後は、そのバッグを自分で取り出し、専用ゴミ箱 にポイするだけ。実に良く出来ていて、的をはずす心配は無用。便器設備はすべてダンボール製で下水設備も不要。仮設トイレの設営に必要な手間や設備を大幅 に簡略化した、実にエコな未来型アイデア。脱帽です。
2)優秀賞:東京マラソンの仮設洋式トイレ。マラソン大会で洋式の仮設トイレは私にとって初めての経験でした。実に清潔。普通の仮設トイレは和式ばかりで汚く、仮設トイレとはそういうものだとばかり思っていたのですが、今までの常識が覆されました。実に素晴らしい。
ある高名な社会学者いわく、「トイレは文化を象徴する」。私は、お客さんのオフィスに行った時には意識してトイレをお借りするようにしています。トイレにお金を使っている会社、使わ ない会社、ペーパーの散らかっている会社、やたらと張り紙の多い会社など、実に様々です。・・・「企業文化を知りたいと思えば、トイレを借りよ」(隗コン サルティング会社のマニュアルから)。