2009年5月No.2 新型インフルエンザ
約一週間フィラデルフィア、ニューヨークに行ってきます。アメリカ人から奇異の目で見られそうなマスク必携の旅になりそうです。
しかし、今回の新型インフル エンザ騒動はどうしても解せません。もちろん、余りに過剰ともいえる水際対策の事です。飛行機の中に怪しい人が一人居れば、検査の間、その飛行機の中にし ばらく閉じ込められるわけですから、何ともなかった人もその間に感染してしまいそうです。しかも近くにA型インフ ルエンザ陽性の人がいただけで、精密検査だけのために何日間も隔離状態に置かれます。しかし、新型インフルエンザは1週間もの潜伏期間があり、しかも、も ともと日本人がかかるインフルエンザはほとんどがA型です。いったい、ここまでしてどれだけの効果があるというのでしょうか?
私にとって、この措置に関するもっとも説得力のある解説が「この水際検査は時間稼ぎが目的であり、この稼いだ時間の間に体制を整えることが出来る」というものでした。・・・なるほど。しかし、5 月18日、関西での感染者数があっという間に百人を超えた時、この時になってあたかも今までまったく予期出来なかったかのように、検査・治療機関の不足が 叫ばれ、学校閉鎖や集会禁止の経済的な影響が叫ばれ、橋下知事が晴天の霹靂(へきれき)のように「大変だ」と舛添厚生労働大臣に要望を出し、大臣はあたか も予想だにしなかった事が起きたように「調査・検討します」。いったい、この水際検査の目的は何だったのでしょうか?
そう言えば、つい最近も、麻生総理大臣が「百年に一度」の経済危機と言っていました。百年に一度の事なので予測は無理?新型のウィルスなので事前の対応策など無理?・・・もちろん、米国の行き過ぎた金融バブルに警告を発する人は以前から多くいましたし、今回のH1N1型豚インフルエンザは2005年12月に米国ウィスコンシン州の少年に最初の感染が確認され、多くの感染学者が警告を発していたと言います。政治家や行政はつねに責任逃れをする。私たちは、この事を前提として行動すべきなのでしょうか。