2010年6月 2つでいくか、3つでいくか
つい先ほど、ネットで注文していたiPad がついに届いた。Ipad(WiFi)は、16ギガ(48.800円)、32ギガ (58.800円)、64ギガ (68.800円)と容量により、3つのタイプを選ぶ事が出来る。プロに聞くと、価格の差は納得できる範囲で、動画などをよく見るのならば64ギガがお勧 め、そうでなければ16ギガで十分。32ギガは中途半端なのでお薦めしないという話だった。
で、結局、私は32ギガを購入した。なぜ?・・・プロならば目的に応じて必要なスペックを購入すればよいかもしれないが、私は素人だ。松竹梅から選べといわれれば、竹を選ぶのが人情だろう。分かってはいるが、これに抵抗するのは難しい。
プラスとマイナス、陰と陽、右と左、作用と反作用、長と半、アメリカとソ連・・・2という数字には対立概念の緊張感あふれるバランスを感じる。180度向かいあったリニアーな(直線的な)対立であり、やじろうべえのような危険がいっぱいのバランスだ。大きな緊張感は存在するが、危険いっぱいとも言える。
一方、3 という数字には、2にはない、柔らかな(平和な)バランスがある。2が直線的であるのに対し、3は最小のネットワーク単位だ。2には勝つか負けるかしかな いが、3には多数決という解決もある。しかし、バランス感はあるものの、2のような緊張感には欠ける。ある意味、妥協的バランスに陥るリスクもある。
こうして考えると、2 の戦略でいくのか、3の戦略で行くのか、これはとても興味深いテーマだ。2の戦略は単純で実行しやすいし、緊張感や高揚感を持たせることができる。しか し、バランスをとるのが難しい。3の戦略は複雑だが、上手く管理すれば非常にバランスのとれた固い成功をもたらす。しかし、気を抜くと、緊張感のないもた れあいに陥る。
例えば、自動車。今、フォードの乗用車カーライン(グループ・ブランド)は、ボルボを除けば、フォード、マーキュリー、リンカーンの3 つである。GMも、ビュイック、キャデラック、シェブロレーの3つである。一方で、トヨタは、トヨタとレクサスの2つだ。現在のフォード、GMがバランス 重視の固い戦略をとったのに対し、トヨタは高リスクの戦略に見える。実際、トヨタかレクサスかの二者択一的的戦略は、米国市場で大きな成功をもたらしたも のの、日本でのレクサスは大苦戦だ。危険に満ちたバランスである。
英国民は、保守党か労働党かの2つの戦略ではなく、自由民主党を加えて3つの戦略を選ん だ。日本では、民主党は社民党、国民新党の3つの連携内閣をとっていたが、2つにせざるを得ない状況になった。小沢派か反小沢派かという2つの発想は、緊 張感を盛り上げるのには役立つが、危険にあふれている。2つで行くか、3つで行くか・・・それが問題だ