2010年10月第2号 一円を笑うものは・・・


男という 者は一円玉を持ち歩きたがらない。一方で、一円玉だけを貯金箱に集めて寄付するというのもいかにもしみったれている。というわけで、自宅の小銭入れにはつ ねに一円玉が貯まっていくことになる。貯まる一方の一円玉を見て、ある日、なるべく一円玉も持ち歩くように決心した。

先日、ある買い物をした時のこと。レジの端数が3 円のとき、ポケットの中に1円玉が2枚だけあった。結局、お釣りで、5円玉と2枚の一円玉をもらい、ポケットの中の一円玉が4枚に増えることになった。こ ういう事が2日連続で続いた次の日、コンビニでまた同じ事が起きた。私はつい「えっ。また、一円だけ足りないのか!」とポケットの一円玉を見ながらつぶや いた。しかし驚いたことに、それを聞いたコンビニの店員が「いいですよ。一円はおまけしておきます」と言ったのだ。

以来、私はもう一つの決心をする事にした。出勤前に、5 円玉1枚と1円玉4枚をつねにポケットに入れることにしたのだ。こうすれば、一円足りないとがっかりすることはなくなる。値段の端数が9円だったりする と、ヤッタという気分。その日は大吉である。私の密かなおみくじだ。ただし、効果抜群で、今や逆に一円玉不足になってしまった。

この話を若い人にしたところ、「いや、私はおサイフケータイなので、一円玉は貯まりません」とあっさり言われてしまった。・・・携帯までなら何とかついていけるのだが、“ケータイ”となると正直、世代間ギャップを感じてしまう。

大 きな世代間ギャップを感じながら会社の近くにあるピカソ(ドンキホーテの姉妹店)で買い物をしていると、そこはドンキ特有の旧世代的アナログ世界であり、 おサイフケータイは使用不可。ところが、レジ机には一円玉をたくさん入れた蓋のないビンが置いてあり、端数の支払いに自由にお使いくださいとある。・・・ 「一円に笑うものは一円に泣く」という言葉は、日本でも死語になってしまった。

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