2011年1月No.2 社員教育(その2)
現在、さ まざまな会社で教育研修を実施していますので、社員教育担当の方とお話しする機会が多くあります。つくづく思うのですが、教育担当の方を見れば、その会社 の将来が見えてくる気がします。つまり、どういう人を人材育成の部署に配置するかということでその会社の人材育成への考えが見えるのです。本当にそう思い ます。
私の会社は大企業ではありま せんし、私自身が有名人というわけでもありません。したがって、私の教育研修を取り入れているお客様は、ほとんどの場合、教育担当の方が、人づての紹介や 私の書物などに興味をもって研修を採用し、内容に価値ありと判断して実施している企業の方ばかりです。言い換えると、私のお客様(お客様の教育担当の方) は、皆、能動的に人材育成に取り組んでいる方ばかりです。従来の研修内容につねに疑問を持ち、どのような研修がよいだろうかと模索している方ばかりなの で、良いと思えば積極的に採用してくれますし、方針に合わないと判断すれば研修計画から外すということになります。つねに真剣勝負です。
もちろん、セミナー会社に人材育成プログラムを丸投げするというお客様は一社もいませんし、また、受けるか受けないかは社員次第というような無責任カフェテリア方式を採用しているお客様もいません。(おかげさまで、私のお客様の研修リピート率はほぼ100%です。
“人材育成に大きな関心を持ち、力を入れている”ことが伸びる会社の条件だとすれば、今現在、私の研修を採用している企業は皆その条件に当てはまると言えます。実際に私の顧客企業リスト名を見ていただければ、この説に納得していただけるはずです。
しかし、さまざまな企業の研 修担当者(とりわけ管理職)の方とお話をすると、どうもこのような企業ばかりではないことに気づきます。たとえば、実際に、“人事部担当部長(研修担 当)”などの名刺をお持ちの方の中には窓際族的な方が少なくありません。正直、窓際族の方に人材育成を任せるのは酷です。従来の研修と異なる試みは一切や ろうとしません。また、先日お会いした外資系企業の場合には、まったく違う業界から転職採用した、研修分野の経験のない人物を研修センターのヘッドに据え ていました。どういう事情でそういう事態が発生したのかは知りませんが、そういう人に人材育成を語らせるのは無理というものです。人材育成はその会社の生 命線だからです。
人材育成とはR&Dです。よい人材を育てようと思えば、まずは自社の人材育成担当に超優秀な人材を配置することから始めるのが良いでしょう。・・・隗より始めよです。