2011年10月 消えたハードディスク


自宅で4年半愛用していたラップトップPCの調子が悪くなったので、動かなくなる前に新しいものに買い替えることにした。その新しいPCが先週届いた。2か月ほど前に販売されたばかりのVaioの最新モデル、Vaio-Zである。

パソコンなど、もうある程度の進化は終えているのではないかと思っていた私にはえらく衝撃的だった。プロセッサーに、インテルのCore i7を備え、ハードディスクの代わりにSSDを装備したこの最新モデルは実に早い。パソコン自体の起動が早いし、操作の反応もきびきびしている。もしかすると、会社で使っているデスクトップよりも早いかもしれない。ともかく一番驚いたのは、パソコンにハードディスクがなくなっていたことだ。

みなさんは、SSDをご存じだろうか。SSD(Solid State Drive)とは、フラッシュメモリを使用したハードディスクに替わる記憶装置のこと。お恥ずかしい話、初めて耳にする言葉だった。ともかく、あって当然と思っていたハードディスクがなくなり、このSSDに替わっていたのだ。以前から、ラップトップのような持ち運びするPCの中に、物理的にディスクが回転する装置が入っていること自体、よく壊れないものだと感心していたのだが、ついにそれがなくなった。今のラップトップPCで物理的に動く装置と言えば、ファンとキーボードとスイッチていどになってしまった。

おそらくは、ハードディスク の存在自体が、ラップトップの重量や形状などの大きな制約条件になっていたはずだが、それがなくなったのだ。キーボードはすでにタッチパネル化している し、ファンなしのパソコン冷却装置が普及するのも時間の問題に違いない。つまり、ラップトップ・パソコンから駆動装置がなくなる日が間近に迫っているみた いなのだ。

さて、駆動装置がまったくな くなったパソコンとはいったいどういう形になるのだろうか?本当にノートみたいなもの?あるいは、薄っぺらい折り畳み手帳のようなもの?あるいは、シート をまるめたようなもの?しかしそれにしても、ハードディスクのメーカーや部品メーカーどうしているのだろうか?・・・そうやって考えてみると、同じような 変化がいろいろなところで起きているのに気づく。電気自動車時代のガソリン・スタンド、ネクタイ不要時代のネクタイ・メーカー、デジカメ時代のフィルム・ メーカー、・・・。新型ラップトップを前に、改めて変化の速度を感じてしまった。年齢を重ねてくると、今のままでよいと思いがちだが、今のままの時代など 実は贅沢な願いでしかない。

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