2011年10月その2 ギリシャ・・・日本の未来?


ユー ロという単一通貨が出来たとき、正直、どうしてこういうことが可能なのか私の頭ではとても理解できなかった。どうして国が違うのに、財政が異なるのに、強 い通貨と弱い通貨を一つの通貨に統合することが可能なのか。・・・どうやら、悲しいことに当時の漠然とした私の直感は正しかったようだ。事ここに至って、 ギリシャのデフォールト、あるいは、ユーロ分裂・再編以外にどのような方法があるのか、私にはこれもまったく理解できない。

しかし、デフォールトになろうがなるまいが、破たん国家ギリシャでは、おそらくこれから、増税、年金削減、レイオフの嵐が吹き荒れ、公共サービスは大幅にカットされ、路上には放置されたゴミがあふれ、失業者があふれ、ストとデモが頻発することになるのだろう。

ニュー スでは、放漫財政を引き起こした原因の一つとして、汚職まみれの世襲政治家の多さが報じられている。ちなみに現首相のパパンドレウの場合、父も祖父も首相 だった。前首相のカラマンリスも元首相の甥だ。また、あまりにも有名になった、公務員だらけのタコ足的な異常経済状況も驚きだ。全労働者の20~25% が公務員で、リッチな公務員年金制度があり、その上、多くの公務員が不当な公務員手当や不正な年金受給に手を染めていたという。・・・あれ!これはギリ シャの話のはずなのだが、どこかの国とそっくりではないか。正直な話、ギリシャの状況を見ていると、どうしても日本とだぶってしまう。

テレビのニュース番組「バンキシャ」のレギュラーコメンテーター、河上和雄氏(元東京地検特捜部長)のコメントが、最近、とくに乱暴になったような気がしてならない。乱暴というか、実に皮肉っぽく、ともすれば投げやり的な印象だ。例えば、先日、TPPの事を聞かれたときに、「どうせ、政治家は、“議論を重ね、適正な対応ができるように、しっかりと検討します”というような結論しか出せないのではないか」(正確ではないかもしれないがこんな感じ)と答えていた。

誤解しないでほしいのだが、 彼のコメントを批判しているのではない。逆に、彼のコメントに共感しているのだ。正直言って、テレビに出て、報道番組でコメンテーター的な立場にある人で さえも、今の政治状況にあきれ返って、コメントする気にもならないのだろう。正直、私は当然だと思う。私は今まで、すべての国政選挙において棄権したこと はただの一度もない。しかし、それでも今の日本の政治家と霞が関には、9割の絶望感を抱いている。・・・えっ。まだ一割の希望を持っているのか?う~ん、そう言われると・・・。

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