2012年2月 南関東直下型地震


1月23日、東大地震研究所が「4年以内に南関東でマグニチュード7クラスの地震が起きる確率が70%に高まった」と発表した。従来は、30年以内に起きる確率が70%と発表されていたので、危機の訪れが一気に早まる可能性が出てきたということだ。

ただし、「4年以内に大地震が来る確率が70%」と言われても、「4年以内に来ない確率がまだ30%」も残されているわけで、私を含め、ノストラダムスの大予言的なものに慣れきっている人にとっては、今ひとつピンと来なかったかもしれない。しかし、その後に続く発表記事を読んでぶったまげた。

何と「30年以内に南関東でマグニチュード7クラスの地震が起きる確率は98%になった」とあるではないか。「4年以内の確率が70%」にはあまり驚かなった私だが、「30年以内に98%」には驚いた。政治家ではなく、東大地震研究所の科学者が98%の確率だと断言したのだ。今年60歳になる私はもともと長生きの血筋で、父親は今93歳で健在である。つまり、ほぼ間違いなく、私が生きているうちにマグニチュード7級の地震が東京で起きると言うのだ。

ちなみにまだ記憶に新しい阪神・淡路大震災(直下型)の場合が、マグニチュード7.3で神戸での揺れが震度7、死者6,434人の大災害だった。同規模の直下型地震が東京湾北部で発生した場合の政府発表試算では、冬夕方6時で、建物全壊・焼失85万棟、死者11,000人。冬朝5時で、建物全壊・焼失23万棟、死者5,300人とある。これに匹敵する地震ということだ。

津 波の被害が甚大だった東北大震災(海溝型地震)と比べるとそれほどには見えないものの、首都圏地震の最大の特徴は間接被害の大きさだ。すなわち、地震後、 復興までの間に失う様々な機会損失のことだ。復興の間、いつまでかは分からないが、日本企業の活動は間違いなく大幅に低下する。私の仕事(コンサルティン グや研修)はゼロになる。円は大幅に暴落し、かなりのインフレになり、年金の価値はますます下がる・・・。

資料を見ると、マグニチュード8クラスの地震は、元禄時代(1703年)、関東大震災(1923年)と起きているが、ほぼ2~300年間隔。次に起きるときには、私も子供も孫も生きていないだろうから、心配なし。しかし、この間に、マグニチュード7の関東直下型地震は、天明小田原地震(1782年)、安政江戸地震(1855年)、東京地震(1894年)、丹沢地震(1924年)と数回起きている。しかも、活動期だったと言われる安政江戸地震から丹沢地震の期間は、数十年おきに起きているのだ。そして、関東では、2000年以降、活動期に入ったと言われている。

ここまで来たら、地震はあるという前提に立つしかない。覚悟を決め、行動を起こすのみだ。・・・よし、まずは明日、タンスのつっかい棒を買いに行こう。

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