2012年2月No.2 ミラーレス一眼カメラ


先日、カメラを買った。今はやりのミラーレス一眼というやつだ。

もう40年 近く前の話になるが、大学生の時に一眼レフ・カメラを買った。当時、かなり高価な買い物だった。実は、好きで買ったというよりも、買わされたという方が近 いかもしれない。専攻が建築だったために、設計課題で作った模型の写真を撮るために必要だったのだ。模型写真を撮るには、絞りを工夫し背景をぼかすなどの 技が必要になるので、どうしても一眼レフということになる。

その後しばらくの間、この一眼レフのお世話になった。さすが一眼レフ、映した写真の出来ばえはダントツにきれいだ。撮影にもそこそこ詳しくなり、三脚持参で夜景を撮ったりなどした。

し かし、やはり、カメラ自体がかさばるので、ちょっと持っていくには不便極まりない。そのうち、使い捨てカメラが出て、ビデオカメラが出て、徐々に使う機会 が減っていった。極めつけは、デジカメの出現だ。いつの間にか、愛用の一眼レフは押し入れに入ったままになってしまった。

デ ジカメの一眼レフが出たときに、何度か買う気をそそられた。しかし、やはり二の足を踏んだ。カメラの大きさというか、仰々しさがブレーキになった。ところ が先日、旅行に行った時のこと、知人のカメラを見て驚いた。私のデジカメと比べると圧倒的に明るい。レンズがまるで違うのだ。一眼レフのようではあるが、 一眼レフほどに大きくはない。

家 に帰って、すぐに調べた。ミラーレス一眼というカメラだった。恥ずかしながら、私はそれまでこのようなカメラの存在を知らなかった。一眼レフというのは、 被写体のイメージをそのままミラーで反射させてファインダーから見る。だから、一眼レフと言う。レフはリフレクション(反射)の略。デジタル一眼レフは、 仕組み自体はこれとまったく同じで、フィルムがデジタル素子に替わっただけのことだ。そう考えると、中途半端な発展途上の技術だ。

一 方、ミラーレス一眼は、ミラーがない。ファインダーから見る被写体は、直接見ているのではなく、デジタル素子に映っている画像を見ているのだ。もちろん、 レンズ交換も可能だ。ミラーがなくなったおかげで、物理的に動く部品はほとんど消え去った。パソコンのハードディスクがフラッシュメモリーに置き換わった ようなものだ。これだ!これこそ、一眼レフとデジカメの進化の形だと直感した私は、すぐに購入することにした。

私の購入したのは、昨年秋に発売されたニコンの1V1。 考えてみれば、光学技術ナンバーワンの道を走り続けるニコン、多角化が成功し今や日本を代表する企業になったキャノン・・・厳しい技術競争の最先端でしの ぎを削ってきた日本のカメラ・メーカーはさすがに強い。市場が企業を強くしたのか、ライバルの存在が企業を強くしたのか。あっぱれ!

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