2012年3月No.1 東京マラソン完走の感想


東京マラソンに出場した。今回で2回目の出場だ。東京マラソンは2007年に開催され、今年で6回目。10倍近いの当選率の中、一般抽選で2回も当選したのだから、何というクジ運の良さだろうか。

それにしても、東京マラソンはやはり日本一。コース設定は本当にすばらしい。大まかに言えば、新宿から日比谷、日比谷から品川往復、銀座から浅草往復、そして、銀座からお台場へと、約10キロずつの4区間で構成されている。とてもメリハリがはり、気分転換になる。第1区間は、都庁前から飯田橋、竹橋、二重橋を抜けて日比谷に行くコース。普段、新宿・日比谷間をこんなに遠回りすることはないので、妙に新鮮だ。第2区間の目玉は、芝増上寺に東京タワー。第3区間は何と言っても浅草雷門での折り返しだが、今年はそれにスカイツリーが加わった。第4区間はひたすらお台場を目指すわけだが、この辺になると、名所はまったく目に入らない。最後に、何カ所か上り下りが繰り返すものの、全体としてみれば下りコース。ここでよい記録が出なければ、多分、他では難しいと思う。それほど走りやすいコースだ。

実は、最近調子が今一つで、フルマラソンで4時間を切れない状態が3大会くらい続いていた。とくに昨年秋の湘南国際はひどい状況で、かなり歩いてしまった。もう一生4時間は切れないのではないかという思いが頭をかすめる中での今回のチャレンジだった。

11回目のフルマラソンなのだが、今回も本当にしんどかった。30キロ近くまではかなりコントロールされた走りができ、これは快調だと思っていた。しかし、30キロすぎから足が徐々に棒状態になってきた。とりわけ、この30~35キ ロは、お台場方向から逆向きに遠回りする(ゴールから遠ざかる)迂回コースになっている。事前に地図をよく見ていなかったせいもあり、このゴールと逆方向 に走るというのが精神的にきつかった。いったいどうなっているのか、どこまで逆向きに走るのか。かなり走っているつもりなのだが、馴染みのある晴海通りが なかなか出てこない。足は重くなる一方。ラップは見る間に落ちていく。

ここからは、もう歩こうかと いう気持との戦いだった。しかし、絶対に歩いてはだめだと叱咤激励の上、よたよた走りを続けた。いったいどのくらいでゴールできるのか、時間の感覚も失わ れていった。腕時計を見る勇気もなかったし、ラップを測るのもやめてしまった。しかし一方で、前回は若干歩いても4時間以内だったので、それほど悪くはないはずという気持ちも残っていた。

あと2キロ地点のところにあったコース上の時計表示が私を救った。実際には思ったほど悪くなかった。4時間は切れるし、もしかすると自己記録更新もありそうだ。最後の2キロ、もう一度力を振り絞った。驚くことに、まだ足は動いた。

記録、3時間54分8秒。自己記録を数十秒更新。何とか、来年も頑張ってみる気になった。それにしても、気持ちの大切さを思い知った4時間だった。

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