2013年8月 引っ越し(マンション開発業者必見)


先月はこのコラムをお休みさせていただきました。理由は、仕事と自宅の引越しが重なり、てんやわんやの忙しさに見舞われていたからです。今もまだ忙しさを引きずっています。

もともと、私がメインに行っている社員研修の仕事は、新卒採用が一段落する6~9月が最繁忙期です。その最中、6月中旬にマンションの買い替えを決め、その下旬に、今住んでいるマンションの売却と新しいマンション(中古)の購入を契約し、7月中旬に簡単なリフォームの上、7月末に引っ越し。その後、8月1日に、住んでいたマンションを引き渡すという過密スケジュールをこなしました。今もまだ、段ボールに囲まれた生活です。

さて、今回は、18年間住んだ築28年のマンションを離れ、築5年のマンションへの引っ越しです。以前のマンションも竣工当時はハイカラなものだったようですが、いざ住み替えてみると、この20数年の間のマンション建築の変化に改めて驚きます。建築の変化と言うよりは、生活スタイル・生活意識の変化といった方がよいでしょう。一言でいえば、「歳をとったらマンション住まい」を意識したデザインになっているのです。私の気づいた変化と今後の予想をリストしてみましょう。マンション開発業者必見です。

1)    エコ構造

今回のマンションは、欧米では一般的な外断熱工法。日本では20年前にはほとんどなかった工法ですし、今でも多くはありません。コンクリートの外に断熱材を張る仕組みなので、コンクリートが外気温の変化を直接受けません。結果として、①コンクリート躯体が長持ちする、②室内の湿気や結露を防ぐ、③断熱効果が高いなどの効果があるようです。これに重層ガラス窓を加え、マンションを長期的、エコ的に考え始めたということでしょう。普通の鉄筋コンクリートならば50~60年、外断熱なら100年持つという人もいます。どうやら、私が死ぬまではしっかりと持ちそうです。マンションが老朽化し、いろいろの問題が出てくると、年寄りにとってはとても負担が大きいのです。

外断熱で太陽光発電が当たり前というマンション時代も遠くないでしょう。ともに高コストがボトルネックですが、コストで片付くことは時代が解決してくれます。

2)    高齢化対応

廊下が広くなり、全面バリアフリーになり、車いすで大丈夫なようにスイッチ類の位置が低くなっています。なるほど、これならば、足腰が弱っても大丈夫。二階建ての一軒家では、エレベーターでもつけない限り、こうはいきません。

20数年前は戸建て感覚のメゾネット型マンションが流行だったのですが、実際には、やはりフラットが便利だし、ずっと広く使えます。特に、歳をとると階段はきつい。

3)    セキュリティ強化

歳をとり、夫婦二人住まいになると、夫婦旅行の機会も増えます。この時に頭を悩ますのがセキュリティ。今回は、玄関でのキー、エレベーター乗り場へのキー、室内の戸別セコム。至れり尽くせりです。このセキュリティシステムを使いこなせないのが難点ではありますが・・・。

4)    ゆとり対応

老人ホームに行くまでは自宅で。となると、やはりそれなりのゆとりは必要。今風マンションの天井高の高さには納得。また、風呂場も昔のマンションと比べると広い。また、今や当たり前の二重床なので、階下への騒音を気にすることもあまりありません。

さて、若い建築家に、中高年の生活を意識したデザインができるでしょうか。・・・あれっ。今、思い出しましたが、私は建築学科卒業でした。中高年向けのマンション開発業者の方、いつでも私をアドバイザーにどうぞ。お安くしておきます。

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