2013年10月 オバマ頑張れ
日本人の私が口出すことではないかもしれないが、はっきり言って、今の米国共和党のやり方はとても信じられない。米国では今、共和党が、連邦政府機能の停止、そして、米国政府デフォールを賭けて、オバマ大統領に対し筋の通らない難癖をつけている。
10月1日、米国では民主党が過半数を占める上院と共和党が過半数を占める下院の間で予算合意に達せず、予算が決まらないまま10月1日の新年度を迎えることになった。これにより、10月1日から連邦政府の一部が閉鎖され、連邦職員80万人が自宅待機(無給)を命じられるという異常事態が発生している。つい最近耳にしたばかりの“furlough”(自宅待機)という言葉がまた新聞紙面を飾っている。
私の次女の旦那(アメリカ人)はハワイの海軍で働いている民間人だが、10月1日午後から突如furlough(自宅待機)となった。80万人の犠牲者の一人だ。また、ハワイの名所、戦艦ミズーリ記念館は閉鎖となり、ハワイ島の火山国立公園(キラウエア)も閉鎖になった。軍と観光で成り立っているハワイ州には大打撃だ。
しかし、今回の予算不成立状況はまだ混乱の入口にしか過ぎないらしい。米国では悪名高い債務上限法があり、現在、その上限は約16兆7000億ドルに定められている。ところが、財務長官によると、10月17日までに上限の引き上げが行われない限り、政府の手元資金が底をつくという。そうなれば、米国債の発行が不可能になり、国債の利払いができなくなり、市場は大混乱に陥る。何も対策を打たねば、米国政府はデフォールト(破産)に陥る。
共和党は、これらすべてに対し、オバマケア(医療保険改革)の延期を盾に取り、民主党との合意を拒否している。しかし、オバマケアは、国民の6人に1人が医療保険に入れない現状を何とかしたいとした、オバマ大統領の基本政策である。彼はこの施策を掲げて大統領になったのだ。しかも、今の債務急増は前ブッシュ大統領によるイラク・アフガン戦争をはじめとした戦費に大きな原因がある。また、リーマンショック後の膨大な財政支出にしろ、結局は市場任せのブッシュ・共和党政策が裏目に出た結果だ。
私に言わせれば、選挙という洗礼を受けて法制化したオバマケアに、共和党がとても通らない理由を並べ上げて難癖をつけているとしか見えない。いったい、それだけの大義がどこにあるというのか。これだけの政争をしかける覚悟が今の共和党議員にあるのだろうか。・・・負けるな、オバマ。がんばれ、オバマ。