2014年3月 東京マラソン激走
2月23日 東京マラソン激走。これで私の今期のマラソン・シーズンが終了した。
昨年11月の富士山マラソン 12月のホノルルマラソンはともに4時間15~18分の記録に終わった。私にとっては正直意気消沈の記録だ。ホノルルマラソンが終わった時には 61歳の私にはもしかするともう一生4時間切りは無理なのではないかいう思いさえ頭をかすめた。4時間を超した時 特に途中で歩いたりした時には いつもこういう気になってしまう。4時間切りはランナーの世界ではサブフォーと呼び 市民ランナーと呼んで恥ずかしくないレベルを意味する。つまりそう簡単にサブフォーの称号を捨てるわけにはいかないのだ。我々レベルのサブフォーランナーは皆この称号に執着している。
ともかく東京マラソンでは何としてもサブフォーをという気持ちで ホノルルマラソンから2ヶ月間 20~25キロのペース走を週一回欠かさずにこなした。実はその効果はあったようで一月に出場した二度のハーフマラソンでは 二度とも自己ベストを更新した。しかも東京マラソンは過去3度の出場すべてで4時間を切っている。自信回復というタイところだが 実は気がかりな点もあった。それはホノルルマラソンの30キロ過ぎで左膝裏がつりそうになったことだ。その痛みの後は怖くて思い切り足を動かすことが出来なかった。初めての経験だったが、実はそれ以降も20キロくらいを走ると同じ部位で痛みの予感というものを感じるときがあった。
東京マラソンは日本でナンバーワンの市民マラソン大会だ。コース設計、運営、沿道の応援・・・どれをとっても素晴らしい。ただ一つ欠点を挙げるとすれば 30分以上にわたり寒い中をじっと立ってスタートを待たなければならない点だろう。東京マラソンの場合 この都庁前で待っている間が実に寒くて長い。特に今年は寒かった。何とかいけるだろう、もしかすると自己ベストもありかもという高ぶる気持ちとホノルルマラソンで感じた足の痛みへの不安・・・マラソンで一番緊張するのはこのスタートラインを待つ時だ。
寒い中 本当に震えながらいろいろ考えていると 実は恐らく私がマラソンで一番好きな楽しい時間はこの待ち時間だということに気づいた。走り終えてゴールする時は達成感に満ちた「嬉しさ」だ。一方 スタートの号砲を待つ間は期待と興奮に満ちた緊張感あふれる「楽しさ」だ。ソチ五輪のジャンプで葛西選手が滑り出す瞬間ににこっとした表情をカメラがとらえた。これを見た瞬間 一流のアスリートも同じなのだと思った。葛西選手はこの緊張の瞬間を確かに楽しんでいた。
9時10分号砲。出場選手36,000人。芋を洗うような大混雑の中 いよいよスタートだ。とは言っても 私の場所からだとスタートラインを通過するのは号砲から5分以上経過した後になる。徐々に徐々に気合いを入れながらスタートラインまで歩きを速めて行く。