オブジェクティブ&ゴール
出版社: 講談社
初版: 2003年2月
著者: 山崎 康司
本書構成
第1部 行動を導く目標の考え
第1章 目標意識
第2章 考えのスタートポイント
第3章 解決の考え
第4章 行動の考え
第2部 組織を動かす目標の仕組み
第5章 目標と組織
第6章 目標行動・・・仕組みの鉄則
第7章 目標行動・・・実践ステップ
・スタートポイント:頂上目標の設定
・ステップ1:計画の共有
・ステップ2:実行の共有
・ステップ3:成果の共有
解説
第一部「行動を導く目標の考え」と第二部「組織を動かす目標の仕組み」の二部構成。第一部では、行動を中心とした思考法について解説している。考えのための考えから、解決のため、行動のための考えに脱皮する方法論が中心となる。第二部では、第一部の考えを組織運営に生かす時の基本コンセプトと仕組みについて解説している。著者が信奉するオープンブック・マネジメント(財務内容の全てを全社員と共有し、社員にオーナーのように考え行動してもらうという経営コンセプト)をベースに、過去数年携わった全社改革プロジェクトの経験を踏まえている。第一部、第二部、ともに、コンセプトから実践例まで、いくつもの具体例をまじえ判りやすく説明している
書評例
「・・・(略)・・・潜在能力あふれる人材を抱えながら、発足や再編から一定期間を経ると、多くの組織はなぜ同じ病に冒されるのか---著者の言う個人レベルの「評論家症候群」と組織レベルの「大企業病」の相乗効果から生じる風土病だ。本書は、素朴な疑問と病巣究明に端を発し、この病に対する処方箋を明快に示す。・・・(略)・・・
行動の目的が企業の利益創出にある以上、その目標は現実に実行され測定可能でなくてはならない。リーダーの立場であれば、その目的に向けた活動プロセスが組織に容易に理解・共有され、組織力強化を誘発する仕組みを作らなければならない。著書は、その鉄則として「オープンブック(経営データの全面的公開)」「(データの意味の)教育」「(目標行動に結びつく)面白さ(の喚起)」「『成果を共有するための)ボーナス制度」を提唱する。人の心を動かすリーダーに共通した素直で誠実なアプローチだ。著者が一貫してとくのは、「原点回帰」と「本質をはずさないシンプルさ」である。組織の主体が人間である限り、普遍的な原理・原則は多くない。現実を見て未来をデザインするだけだと、本音で対話できる一冊である。 」 (K.T)
・・・日本能率協会 JMAマネジメント・レビュー誌 (2003年6月号)
「大きく言えば目標管理の本だが、形骸化してしまっている従来の目標管理を行動に落とし込むための一冊。目標と問題意識の関係を整理し、目標設定を定性的内容であるオブジェクティブと定量的内容であるゴールの両方で捉えることを提言している。確かに問題を目標と現状とのギャップとすると、定性的な目標では進捗度を測ることはできない。従って目標管理が単なるお題目になってしまうということだろう。更に目標設定から具体的行動に落とし込むためのキャンペーンなどにも言及。分かりやすく書いた良著である。ただ分かりやすくすることを意識し過ぎているのか、多少くどくなっているような気がした。管理職以上の方は是非。 」
・・・(株)NIコンサルティング おすすめBOOKS