2015年5月 マーリン・メソッドの薦め


5月に行われる九州・アジア経営塾(碧樹館)の卒塾式に向けて贈る言葉をしたためた。九州アジア経営塾は九州財界が中心となり約10年前に設立された経営リーダー育成組織である。約一年に渡り 祝日・週末を利用して講義・講演・勉強会が繰り返される なかなかにハードなプログラムである。福岡出身であることもあり 私はこの教育プログラムの一コマを担当している。

今回私が寄せた卒塾のテーマはマーリン・メソッドの薦めである。さて 皆さんはこのマーリン・メソッドという言葉を聞いたことがあるだろうか?フロリダ・マーリンズのマーリン(marlin)ではなく Merlinだ。マーリン(Merlin)と言うのはアーサー王物語(英国)に出てくる魔法使いのこと。この魔法使いは未来を知っており 自分が見る未来の姿から今やるべきことをアーサー王に助言する。このことから「先ず将来どうなりたいかを目標として定め 将来あるべき視点から今やるべきことを考える」アプローチをマーリン・メソッドと呼ぶようになった。

そこで提案なのだが 今将来を考えている方 進路にお悩みの方は 一度 マーリン・メソッドで人生を考えてみたらどうだろうか。たとえば あなたは60歳の時にどうなっていたいと思うか?何を達成していたいと思うか?次に この目標を達成するためには 50歳の時にどうなっている必要があるだろうか?そして そのためには 今 何をなすべきだろうか?

決して「今何をすべきか」だけを考えてはいけない。その答えは「あなたが将来何をしたいか 何になりたいか」にあるのだ。

さて冒頭の九州・アジア経営塾では今の育成プログラムを碧樹館と称している。碧樹とは落ち葉のない松などの常緑樹の事だ。この碧樹館の名前は 禅語に登場する「清流無間断 碧樹不曾凋」に由来しているという。「清らかな渓流は流れを絶やすことはなく 碧樹もいつも青々として決して凋む(しぼむ)ことなく永遠に碧(みどり)を保つ」という意味である。ひるがえって「毎年毎年の小さな若葉が永遠の碧樹を生む。つまり 日々の絶え間ない努力が未来につながる」という意味で使われている。

日々の努力の前に まずは努力の行方をイメージしてみることから始めよう。

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