2016年6月 がんばれ山尾さん


先日 山尾志桜里民進党政調会長と安倍総理との保育士に関する国会質疑をニュースで拝見した。「男尊女卑」発言が出た国会質疑である。びっくりした。もし子や孫が国会議員になりたいと言ったら、「君はもっと優秀なはずだ」と答えるような私にとって、にこんなに頭の回転の速い国会議員がいるとは知らなかった。正直 数合わせで作られた民進党なんてやっぱりダメだろうなとあまり期待していなかった。しかしわずか当選2回の山尾氏を政調会長に抜擢するなど 能力重視の若手抜擢人事を見ると将来にちょっとばかし期待が持てそうな気がしてきた。

山尾氏は以前「日本死ね」のブログを国会で紹介した方だ。この当選2回41歳の若手議員のストレートな質問に安倍総理はまともな回答ができなかった。「匿名のブログなど相手にしておられない。空振りですね」的な木で鼻をくくった答弁には驚いた。以降の保育園や保育士問題の広がりを見れば 山尾氏の指摘は空振りどころかホームランだった。

今回の男尊女卑質疑は 保育士の処遇改善4万円を 全産業の女性労働者賃金平均との格差から算出した値だと答弁した(塩崎恭久厚生労働相)のが始まりだった。これは官僚の作成した答弁書の丸読みだろうが 質疑のテレビ報道を見る限り どうも山尾氏から質問を受けるまで(あるいは受けた後も?) 総理はこのロジックのおかしさに気づいていなかったようなのだ。もしこのおかしさに気づいていたらもっとましなやり取りをしていたはずだ。もちろん発端の答弁を作成した官僚はこのおかしさに気づいていない。

山尾氏はすぐさま「保育士は女性だけの職業ではない」と切り替えし 男女間の給与格差の存在を前提とした目標値の設定はおかしいと主張した。まったく当たり前の主張だ。この切り返しの速さはすごかった。こんなに頭の回転が速い人が議員にいるのだ。これに比べると総理の答弁は議員特有のステレオタイプに見えた。今すぐは無理かもしれないが 大目標としては「同一労働同一賃金」を目指すべきだと私は思う。男女や人種で異なる賃金は決して許されるべきではない。

総理だって 大目標は山尾氏の言う通りだが是正の現実的第一歩として計算したものだと説明すれば皆納得するものを 異なる他者の意見はすべてはねのけるとでもいうような頑なさで質問をはねのけようとした。総理の頭の中は 保育士は女性の仕事 女性が男性より給与が低いのは当たり前という石器時代の考えで凝り固まっているように見えた。がんばれ山尾さん!!

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