過去のひと言


2009年3月 GMailに切り替えて

今、会社のメールを全面的にGMail(グー グルのメールシステム)に移行しようとしています。お恥ずかしい話ですが、今までせいぜいウェブ検索やグーグル・マップ程度しか利用していなかった私は、 GMailの内容を知り驚きました。浦島太郎になりかけていたかもしれません。実に素晴らしい。今まで、漠然とグーグルが大成長していることを横目で眺め ていましたが、今、その成長の実態に触れた感じです。

しかし、ちょっと待って。GMailはもちろんウェブ・メールなので、私のメール内容はすべてグーグルのサーバに保管されることになります。もちろん、私の住んでいる自宅も会社も写真つきでグーグル・マップのサーバに保管されています。私のショッピング履歴もクレジット番号も・・・。

皆さんは、Singularity(特異 点)という言葉をご存知でしょうか?科学者の間では、今の進歩が続けば、50年以内にはコンピュータが独自にプログラミング出来るようになるのが定説だそ うです。一方で、今やほとんどの都市設備や産業施設はネットでつながっているわけですから、コンピュータが独自にプログラミング出来る時代とは、取りも直 さず、コンピュータが我々の社会生活を支配する時代を意味します。この時代が到来する時点をSingularityと呼びます。映画「ターミネーター」に 登場するスカイネットのような世界です。

無料のGMailサービスの内容に感嘆しながら、この変化に一抹の不安を感じるのは私だけでしょうか。

2009年2月 Changeの国

オバマ大統領の就任演説、テレビをずっと見ていました。その後のコメントにもあったように、ぐっと抑えた、よく言えば歴史観を踏まえた格調高い、悪く言えばとても地味な内容でした。何れにせよ、これからの道のりの険しさを感じさせる演説だったと言えます。

ところで、ニューズウィーク(日本語版1.28 号)に、ファーストレディになるミシェル夫人の話が出ていました。ストレートに、同夫人の肌の色について触れていたのに驚きました。つまり、就任式で歌っ ていたビヨンセに代表されるように、今までの美しい黒人女性とは、肌の色が薄く、ヨーロッパ風の顔立ちであるというのが定番でした。しかし、ミシェル夫人 はこの定番には該当しません。もしかすると、白人の母親を持つオバマ大統領の誕生よりも、ミシェル大統領夫人の誕生の方がチェンジを体現しているのかもし れません。

私事ですが、アメリカに滞在中の次女が、この夏、アメリカ人と結婚する事になりました。米国では、2050 年には、白人はマイノリティになると言われているそうです。つまり、今のマイノリティがマジョリティになるわけで、言い換えると、白人とか黒人とか、ある いは、マイノリティとかマジョリティという議論そのものが無意味になる時代の到来です。私の孫がアメリカ大統領になる可能性すらある時代です。・・・こう して考えると、“チェンジ”が“希望”と同義語であることがよく分かります。それでは、いつまで経ってもチェンジの起きない国はどうなるのでしょうか?

2009年1月 新年にあたって

あけましておめでとうございます。

福岡出身の私は、小さい頃から、正月は三つの神社にお参りすることを習慣にしてい ました。これを三社参りと言います。三社参りが福岡を中心とした西日本独自の風習だと知ったのは、東京に出てしばらくしてからのことです。しかし、それでも、一つの神社だけではどうもご利益が少なそうで、この三社参りは、東京に住んで40年近く経つ今も続けています。

私の三社は、初詣には欠かせない明治神宮、個人的にはかなり気に入っているご近所の世田谷八幡。三つ目は、年によって変わるのですが、今年は穴八幡。もともと、実家が神道なので、結構、神事には親しみがあります。葬式も神主さんとなります。

さて、今年の私のテーマは、CONVERGENCE です。集束とかフォーカスという意味です。昔、ある本を書くときに、P&G本社社長のダーク・ヤーガー氏を尋ね、シンシナティ本社で2時間におよ ぶ取材を行なった事があります。取材の最後に、P&Gのような大企業の経営で一番難しいのは何かと尋ねた時に、彼は“Convergenceと Divergenceのバランスの難しさだ”と表現してくれました。なるほど。しかし、このConvergenceとDivergenceを意識するとい うこと自体が、なかなか並の人間に出来ることではありません。

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