過去のひと言


2015年12月 続々と登場 アマゾンの新サービス

最近 アマゾンのサービス攻勢がすさまじい。とくにプライム会員向けのサービス拡充には驚かされる。かなり前からプライム会員(年会費3,900円)になっている私にとって これはとても喜ばしい状況だ。しかし 本音を言えば こうしたサービスについていくのも一苦労。正直若干たじろぎ気味という状況だ。

“プライム・ナウ”・・・最近発表された 注文から1時間以内に配送という会員向けサービス。地域限定で2,500円以上の買い物が条件。1時間内配送の場合890円の有料だが 2時間以内だったら無料。これはビールやお米などの重い買い物には便利。今でも近くのスーパーで無料配送をしてくれるが当然受付人数は限定だ。早速私の居住地域がサービス対象かどうか調べたところ ビンゴ! しかし専用アプリをダウンロードしようとしたところで このサービスがアンドロイドOS限定のサービスであることに気づいた。ギブアップ。アマゾン・ファイアなどのアンドロイドOSの携帯端末か携帯電話に限られたサービスだった。対象OSや対象地域が将来どうなるかは今のところ分からない。しかし こういう配送体制構築が可能だという事実 また こういう配送サービスがビジネスとして成立すると考える人がいること自体にとても驚いてしまった。

もともと私がプライム会員になった理由は 無料で翌日配送してくれるという理由からだ。週一回以上の頻度でアマゾンを利用する私にとって年3,900円でこのサービスが利用できるのだから この機能だけで十分にペイしている。実際 対象商品であれば 千円以下の商品でも配送料タダで翌日に届くのだ。ありがたいというか 申し訳ないと思うことさえある。無料で2時間以内に発送するサービスなど 63歳の私にはとても思いつかない。

“キンドル・オーナー・ライブラリー”・・・とは言え 私だってキンドル(アマゾンの電子書籍リーダー)くらいは持っている。もっぱら海外図書の購入に使っている。海外図書は輸送にかかる期間とコストが頭痛のタネ。電子書籍はこの点 とてもありがたい。最近 このキンドルユーザーに対し月一冊無料のキンドル・オーナー・ライブラリーが出来た。これはぜひ使ってみたい。

“プライム・ビデオ”・・・ご存じだろうか 最近登場したアマゾンのFire TVのことだ。様々なアマゾンの新サービスの中で これは私の一押しだ。何しろ会員であれば 多くの映画(洋画や邦画)や海外TV番組がタダで見放題なのだ。ただしテレビに接続する機器(Fire TV)は有料。早速購入して自宅のWiFi経由 ネットにつなげてトライした。これは本当に素晴らしい。もうTVでの映画録画などほとんどやらなくなるだろう。実は数年前に近くのツタヤが閉店して自宅付近にレンタル・ビデオ・ショップがまったくなくなってしまった。レンタル・ビデオという言葉は死語になりつつある。

“プライム・ミュージック”・・・これも最近だが 会員であれば無料で100万曲以上の楽曲が聞けるサービス。早速アプリ(アマゾン・ミュージック)をダウンロードして使ってみた。しかし これが便利かどうかは普段使っている音楽環境次第だろう。正直未だ iPodをメインに利用している私にとって パソコンへのダウンロードは有料なので使いづらい。レンタル・ビデオ・ショップはいらないが レンタルCDショップは欲しいところだ。

アマゾンだけでこの状況だ。スマホは持っているものの機能の5%程度しか使っていないことを自覚している私にとって これからの便利さは 使いこなせるようになるための面倒くささと背中合わせのようだ。

2015年11月 GPSソーラー時計

中高級時計は12月に売れるらしい。ボーナス時期やらクリスマス時期ということだ。というわけで そうした時計の新モデルは秋に発表される。

先日雑誌を見ていて 日本のGPSソーラー時計がかなり進歩していることに気づいた。GPSソーラー時計はセイコーが世界に先駆けて2012年にアストロンというモデルを発売したのが始まりである。それ以来 シチズン カシオが参入し 開発競争の真最中らしい。この秋にはこの三者が揃って新タイプを発表した。

GPSソーラー時計とはGPSで居場所を検知し その場所の時刻を簡単に表示してくれるという時計だ。世界の標準時刻を電波検知するので時刻合わせも不要。もちろんソーラー充電。海外旅行を頻繁にする人にとっては便利ものである。安倍総理がオメガのスピードマスターからアストロンに切り替えたという話しも有名になった。まったく正直な話 私は政治信条的には安倍総理に共感できないが この時計に対する嗜好に関しては総理に一票を投じたい。

実は私も先日アストロンの新タイプを購入した。以前から使っているタグホイヤーと併用しているが 気持ち的にはメインはアストロンだ。アストロンに限らない話だと思うが 日本のGPSソーラー時計は機能的に見れば世界最高の時計だと実感した。GPSを用いて時刻調整している時の秒針の動きを見ていると実に驚かされる。秒針にこんな機能をもたせるなどよくぞ考えついたものだ。時計を身に着けていると言うよりもまさに精密機械を身に着けていると言う感じがする。アップルのデジタル時計では味わえない 精密機械に対するこだわりだ。安倍総理の気持ちがよく分かる。

今後GPSのアンテナ機能など様々な機能が強化されると更に小型軽量化が進むだろう。腕時計と言えば伝統技術でなりたっていそうな分野だが この進化は実にすごい。数十年前 父のしていた腕時計はリューズを回して時計のゼンマイを巻くスタイルだった。その後 自動巻き そしてクォーツの誕生。息をつく間もなく ソーラー時計 電波時計 そして GPSソーラー時計の誕生。クォーツ以降 この先端技術をリードしてきたのはつねに日本だった。

アストロンを身に着けて久しぶりに日本の先端技術力に誇りを感じた。そう昔プリウスを買った時のような気分だ。・・・次は燃料電池車だろうか、それとも。

2015年10月 傾斜マンション

1976年。私の東大建築学科の同級生が大手ゼネコン(現場部門)に就職した。一緒に卒論を書いた仲間の一人だ。就職後数年して 仲間と集まった時 しみじみと本音を語りだした。「今 福岡のモデル現場の仕事をしている。先日 現場で検査が入った後の話し 検査後すぐに現場所長から鉄筋を抜き取るように命じられた。要はインチキをしろということだ。これがモデル現場の実態だ。」鉄筋を抜く作業も大変だとは思うが 当時はその方がコスト減だったのだろう。倫理観の強い友人はその後もいろいろな悩みを抱え続けたらしい。それから数年後 20歳代の若さで 独身のまま自ら命を絶つことになった。

あれから40年経った今 まったく同じような いやもっと悪質な不正が未だに繰り返されている。昨年明らかになった住友不動産・熊谷組のパークスクエア三ツ沢公園(横浜 2003年完成)の杭打ち不正に続いて 今回の三井不動産・三井住友建設の横浜市都筑区マンション(2007年完成)の杭打ち不正。強固地盤に何本もの基礎杭がとどいていなければいつか傾くことくらい誰でも分かるはずだ。いったいこの業界はどうなっているのだろうか?結局 現場作業者一人に責任をなすりつけ 後は買い取りで片付けようという気なのだろうか?

2年前 自宅マンションを買い替えた時 建築会社の友人の最初の質問は「ゼネコンはどこ?」だった。場所とか広さとか建築年ではなく ゼネコンの名前だった。私にとっては最初の質問がそれかと意表を突かれた感じだったが 今その理由が分かった。私が清水建設だと答えると それじゃ安心だねという反応。鹿島建設や竹中工務店でも同じ反応だったと思うが これが熊谷組や三井住友建設だったらどういう反応だったのだろう。ことそれほどに ゼネコンによって信用度がまるでちがうということらしい。しかも 信頼できるゼネコンというのはほんの一握りであるらしいのだ。

今回の横浜都筑区の問題マンションのゼネコンは三井住友建設である。私は元請けのメインの仕事は下請けの管理だとずっと思っていた。下請けの管理すらできない しかも構造のもっとも基礎の部分 基礎杭の施工管理すらできていないゼネコンとはいったい何なのだろうか。

ただし今回不幸中の幸いと言えるのは販売業者が三井不動産であったことだろう。住民の訴えから10ヶ月以上経ってようやくとの感じもするが 住友不動産の三ツ沢公園マンションは竣工直後から問題があり住友不動産がまともな対応をするのに11年もかかったという。とても信じられない話だ。

今回 ゼネコンや下請け業者や不動産会社 さらには許認可官庁などにとっては あまりにも多くの課題が残された。しかし消費者にとってはあまり選択肢はない。マンションを買う時には 第一にゼネコン 第二に販売不動産会社というくらいだろうか。ゼネコンや不動産会社はこのことを決して忘れてはならない。

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