過去のひと言
2019年12月 iPhone紛失と新型購入
先日 新神戸からの帰り 新幹線の車中にスマホを置き忘れると言う大失態をしでかした。自宅に帰りつくとスマホがないのだ。八重洲から自分の車で帰宅したのだが 車にもない。やはり新幹線の中にちがいない。
旧いiPhoneを使っていたのだが ここでiPhoneの素晴らしさに感激することになった。パソコンでicloudを経由してiPhoneを探す機能をオン。あっという間に GPSで 自分のiPhoneが八重洲にあることが判明。やはり新幹線の車内に置き忘れたのだ。
次に iPhoneの紛失メッセージを起動させ 自宅の連絡先電話番号を入力。そうすると 見つけた人がiPhoneを起動させると 初期画面に 「この携帯電話は紛失したものです。見つけた方は xxx にお電話ください」というメッセージが現れる。日本であれば これで8割方 手元に戻りそうな気がする。実に素晴らしい。
一応やるべき操作はした後 気持ちを落ち着け 八重洲の紛失窓口に電話してみるのだが これがやっかい。前にこのコラムでも書いたことがあるが 新幹線の大阪方面の運航はJR東海が担当している。したがって 大阪方面からの新幹線車内の置忘れとそのホームでの紛失物に関しては 八重洲のJR東海の紛失係に電話しなければならない。一方 ホームを出てから改札までの紛失に関しては 八重洲のJR東日本の紛失係に電話しなければならない。というわけで 普通は両方の窓口に電話することになる。
JR東日本は割としっかり管理されているので一本の電話で済むのだが JR東海はいつも通り 2、3度電話しないと話が通じない。JR東日本とJR東海ではかなりシステム化に差があるらしい。結局 JR東海の紛失係で置忘れが確認されたのは翌日。まあ何とか出てきて一安心。しかし 同じ八重洲なのだから 紛失物の一元管理はできないものだろうか。
後日談になるが これを機会に iPhoneを新型の11に買い替えることにした。老眼が進んできたので大きい画面にしたいのと 夜でも美しく撮れるという新型カメラに惹かれていた。しかし アップルストアで手に取ってみて最初に驚かされたのは顔認識の素早さだ。指紋認証でいちいち指で押すのとは比べ物にならない というか 認証機能が作動しているという感覚すらないのだ。
しかしよく考えてみると これで私の顔データはアップルのデータベースにしっかりと保存されてしまったことになる。何か犯罪に巻き込まれてアップルが私の顔データを当局に提出することになれば 私の顔は街にある防犯カメラと照合され iPhoneのGPS機能で 逐一追跡されるにちがいない。
そうでなくても マイナンバーを登録している人は要注意だ。マイナンバーというと番号で管理されているイメージだが もちろんマイナンバーカードを取得している人はナンバーだけではなく顔写真でも管理されている。これは個人的な推測だが マイナンバーカード取得者は国家データベースにて顔写真を含めたあらゆる情報が登録されていると思った方がよい。事件に巻き込まれると防犯カメラと呼ばれる監視カメラですべての情報はつつぬけになるだろう。ちなみに 米国では 成人の7割以上が顔写真を含めて情報管理されているという。中国ではこれが90数パーセントに跳ね上がる。最近 中国で7人を殺し逃亡していた美人女性殺人犯が逮捕され話題になった。田舎に設置されていた監視カメラが居場所特定の決め手になったと言う。
パスポートで管理されているから同じではないかという人もいるかもしれない。しかし 出入国管理を目的としたパスポートと全個人情報管理を目的としたマイナンバーカードではそもそもの発想が違う つまり情報管理の仕組みが根本的に違うと私は思う。
私は 政府というものをあまり信用していないので マイナンバーカードはいまだ取得していないし 今のところ 取得する気もない。しかし それを聞いていた友人いわく 「悪いことばかりじゃないよ。もう少し歳を取って ボケて徘徊するようになったら 防犯カメラで簡単に見つけてくれるよ」・・・なるほど。
2019年11月 エディ・ジョーンズ
今月初め 東京スタジアムにワールドカップ3位決定戦(ニュージーランド対ウェールズ)を見に行った。その時にふと以前見たNHKの「奇跡のレッスン」という番組を思い出した。世界のプロスポーツ界で活躍した人を日本に呼び 数日間 高校生をレッスンしてもらうという番組だ。指導者の大切さがよくわかる。
先日の再放送(オリジナルは2017年放送)で見たのは ラグビーワールドカップの元日本代表ヘッドコーチ エディ・ジョーンズが目黒学院高校のラグビーを5日間指導するという内容だった。いわずと知れた名将 エディ・ジョーンズ。2015年のワールドカップで日本を3勝させ 今度のワールドカップでは2015年に決勝進出を逃したイングランド・チームを準優勝に導いた男だ。
一方 目黒学院は関東代表として何度も花園進出を果たしたラグビー名門高校。しかし 2017年までの数年間は優勝まであと一歩及ばず 全国大会出場を逃している。今回 エディ・ジョーンズがコーチをするチームは一度も花園を経験していない。しかも エディ・ジョーンズが指導する期間はたったの5日間。それまで 目黒学院のプレーを一度も目にしていないのだ。
彼のやり方は徹底したスキル練習。すなわち 実戦練習が主体だ。テレビを見ていてよく分かったが 徹頭徹尾 実戦を意識する。実戦につながらない練習はほとんどやらない。どうやらこの指導スタイルはワールドカップに出場する代表チームでも高校生でも変わりはないようだ。
2015年のワールドカップが終わった後 エディ・ジョーンズが日本のテレビ番組でこう語っていた。「日本の選手はテクニックの練習ばかりやる。たしかにテクニックの練習は必要だが これだけでは絶対に試合に勝てない。スキルの練習が必要なのだ。」番組に出演していた日本人がこう質問した。「監督。スキル練習とテクニック練習はどう違うのですか?」エディ・ジョーンズの答えは的を射ていた。「子供たちのサッカーのドリブル練習を例にとろう。日本人の子供たちは コーンを等間隔に立てて その間をボールを転がしていく練習をする。これはテクニックの練習だ。ドリブルのテクニックを磨くにはこの練習は不可欠だ。しかし これをいくら上達しても試合には勝てない。ブラジルの子供たちは5歳になった段階で 生身の人間をディフェンダーに仕立て その間をドリブルで抜く練習をする。これがスキル練習だ。スキル練習とは実戦を意識した練習だ。これこそが勝つための練習なのだ。」
驚くことに 監督と出会って わずか5日間。目黒学院チームは生まれ変わった。その年の秋に行われた東京都大会で優勝し 4年ぶりの全国大会出場を果たしたのだ。
プロでも高校生でも指導者は本当に大切。ぜひジェイミー・ジョセフには来年の日本代表監督を受諾してもらいたいものだ。もちろん エディ・ジョーンズでも大歓迎。余談だが ゴルフの松山英樹選手はコーチをつけないことで有名だ。しかし私は少なくともパターはコーチをつけた方がよいと思う。
2019年10月 ウィルスに抗生物質は効かない
鼻の下に小さな赤い湿疹ができた。疲れた時に時々こういうものが出る。カミソリまけかと思い 抗生物質の軟膏を塗ったが 一週間たっても治らない。今回はなかなかにしつこい。病院に行ったところ 「これは単純疱疹ですよ。一度出ると95%の人は体内に抗体ができるので二度と出ません。何度か起きると言うことは 山崎さんは残り5%ですね。原因はウィルスなので抗生物質は効きません。専用の抗ウィルス薬を塗るか飲むかすれば すぐに治ります」と言う。
そうか 細菌ではなくウィルスが原因なのか。そして 抗生物質はウィルスには効かないのか。恥ずかしながらウィルスは最近よりも小さいことくらいは知っていたが 抗生物質がウィルスに効果がないと言うのは知らなかった。で すぐに調べてみた。
細菌は単細胞生物で ヒトの体内で自分と同じ細胞を複製して増殖していく。一方 ウィルスは なんと自分で細胞を持っておらず 細菌の1/50程度の大きさしかない。ウィルスは ヒトの体に侵入すると ヒトの細胞の中に入って自分の複製を作り 細胞を破裂させて多くのウィルスを飛び散らせ 他の細胞に入り込んでいく・・・これは怖い。
いわゆる抗生物質は細菌の細胞壁の合成を阻害するなどして増殖を抑え死滅させるものなので そもそも細胞を持たないウィルスにはまったく効果がないのだ。例えば 最初の抗生物質 ペニシリンは 細菌の細胞壁合成を担うたんぱく質に作用し細胞壁の合成を妨げる役割があるという。これで細菌は増殖機能を失い 死滅していく。なぜ人間の細胞は大丈夫かと言えば 人間をはじめとする動物の細胞には細胞壁というものがそもそもないからだ。
正直な話 ウィルスに細胞がないことも知らなかったし 抗生物質とは細胞に作用するものだとも知らなかったし 動物の細胞には細胞壁がないということも知らなかった。
ちなみに ウィルスは 細胞を有する生物と異なり その形質が著しく多様だと言う。そのために 万能的な抗ウィルス薬などなく 開発されている抗ウィルス薬もまだまだ限定的だと言う。ちなみに通常の風邪はウィルスが原因なので抗生物質は効かない。インフルエンザと同じだ。一般的に売られている風邪薬はあくまでも症状を軽減するためのもので ウィルスを殺す機能はない。
それでは 原因が細菌かウィルスかをどうやって判断するのか。これはちゃんとした検査をしないと分からないらしい。ただし大まかな目安としては 発熱・のどの痛み・咳・鼻水といった代表的な風邪の諸症状が複数出ている時にはウィルス感染。鼻だけ 咳だけといった特定部位のみの症状が出ている場合には細菌感染の疑いが高いと言う。最近は特定の部位に集中して増殖するのに対し ウィルスは部位を問わずに増殖する傾向があるからだという。
とはいっても私の赤みを帯びた湿疹は鼻の下の部分的なもの。ウィルスの世界は奥深い。病院からもらった軟膏のおかげで3日で治りました。
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