過去のひと言


2019年9月 東京マラソン寄付金争奪?

9月になると 趣味のマラソン大会の出場申込みがほぼ出揃う。今シーズンの予定は フルマラソンが3つ。11月の神戸マラソン(初出場) 12月の湘南国際マラソン(久しぶり) 3月の東京マラソン(連続出場)。これらは既に出場確定。フルマラソン以外にハーフマラソン数大会への参加を予定している。そしてシーズン最後は まだ申込みが始まっていないが 来年4月の富士五湖ウルトラマラソン(100km)で締める予定だ。

神戸マラソンは3回続けて落選した人の優先抽選枠のお蔭で 出場権確保。ただし 神戸マラソンの最大の楽しみは マラソン終了後に予定している有馬温泉(神戸三宮から電車で30分)だ。東の横綱と言われる草津温泉には何度か行ったが 西の横綱と言われる有馬温泉にはまだ行ったことがない。テレビの「ぶらたもり」で有馬温泉が紹介されて以来 いつか行きたいと思っていた。日本でいちばん深い場所から湧き出るという金泉は今から楽しみでしょうがない。

さて 来年の東京マラソンは今年と同様 10万円を払ってチャリティランナーで走ることにした。正直 一般抽選ではとてもあたる気がしない。チャリティ先も希望に応じて選べるし 寄付と考えれば贅沢しているという負い目もない。昨年走って改めて感じたが やはり東京マラソンは走りやすい。どちらかと言えばやや下りの片道コース。都心を走る楽しさに加えて 観光地がいっぱいだから飽きない。都庁から始まり 銀座 歌舞伎座 日本橋 浅草 スカイツリー 増上寺 東京タワー 泉岳寺 そして 皇居前でゴール。なかなかに考え抜かれた都心満喫コース。そのまま はとバスコースになりそうだ。

さて今年は7月2日にチャリティランナーの応募が始まった。チャリティ応募枠は3700人。先着順。参加選手は全部で3万5千人くらいなので1割以上が10万円ランナーということになる。この枠が去年は4日で埋まったという。そして今年は 何と応募開始から数時間で応募終了になってしまった。

この状況はさすがに東京マラソン事務局も予想外だったらしい。受付のネットシステムがパンク状態になったのだ。朝10時から応募スタートのところ 私はおもむろに11時にパソコンに向かった。ところがなかなかつながらない。ようやくつながって10万円のカード決済を済ませ 次に寄付とは別の参加料の支払い画面に移ったところで まったく画面がつながらなくなった。15分おきに繰り返したが何度やっても同じ。当然のように電話は話し中でまったく通じない。

しばらくして午後1時過ぎにHPに「アクセスが殺到している。登録確認の返信メールが届いていない人は最初からやり直してくれ」との告知。すでに済ませた10万円決済はどうなるのかと若干不安に思いながらも 最初からもう一度やり直すことにした。そして決済画面に到達したとき 画面に「応募人数に達したので閉め切ります」との冷血メッセージが登場。唖然。結局ダメだったのか。何というお役所仕事。しかし 頭の中は10万円の支払いはどうなるのかという不安の方が大きかったので それほどの怒りはなかった。もちろん電話は一切通じない。合計10回は電話したがすべて話し中。翌日に回すよりしようがない。

翌日 東京マラソンから一通のメールが届いた。「登録が確認されたので出場できます。ご安心ください。詳細は追って連絡します」。何度かやりなおしたので 同じメールが3通も来た。おそらく 事務局は目の回るような忙しさだったに違いない。正式な受付確認通知が届いたのはそれから数日後だった。

10万円払って走る人がそんなに殺到するというのも驚きだった。しかし 後でよく考えてみたが これにはどうも裏の理由が関係してそうだ。寄付金先は前もってリストされた団体の中から申込者が任意に選択できる仕組みになっている。その結果起こるのが寄付金の争奪合戦である。3700人で一人10万円 という事は合計3億7千万円の寄付金だ。参加料は別途なのでこれは純粋な寄付金総額らしい。

認定された寄付金事業団体は29だったので 平均すると一団体当たり 1千数百万円の寄付となる。これは団体にとっては全く無視できない額だし 東京マラソンの寄付で成り立っている団体もあるにちがいない。当然 そうした団体は過去に一度でも寄付した人は決して逃すまいと チャリティ申込み期日前には必死になって申込み催促メールを出す。来年は「チャリティランナー申し込みは受付後数時間で定員に達しました。申し込みは受け付け開始後すぐに・・・」という内容のメールが過去のチャリティランナー全員に届くはずだ。というわけで 早めに申し込もうとする人は増えることはあっても減ることはない。

とはいってもたかが3700人の応募枠。これでネットがパンクするというのもちょっとお粗末な気がする。まあ私にとっては結果オーライ。長い一日だったが 来年は万全の受け付け体制をお願いしたい。

2019年8月 私の仕事

しまった。気づいてみたら 先月のこの欄をミスってしまった。本当に忙しかったのだ。

私の仕事(中堅社員を対象とした研修)には季節性がある。毎年のことだが 一番忙しいのが6月と7月 その後 8月は夏休みなどで若干仕事が減るものの 11月までそこそこの忙しさが続き 12月から3月にかけて暇になり 3月半ばから5月半ばにかけて一番暇になる。
クライアントである人事部はどうしても3月半ばから4月末まで新入社員の研修で多忙を極めている。それらが一段落したところで一般社員の研修を手掛けることになる。というわけで 例年6月から7月が最繁忙期になるわけだ。

とりわけ今年は なぜか実例課題を対象としたスライド研修やフォローアップ研修の依頼が相次いでいる。例えば スライド研修では クライアントにて実際に使用したスライドから 課題として使えそうなものを選び それに微調整を加えて課題に作り上げるという作業を行う。課題としてふさわしいように ひどすぎず かつ 良すぎない資料を選ぶ。しかし 研修を依頼してきているのだから 正直 課題としては出来が良すぎるなどの資料はほとんどない。作業としては 課題と修正結果をイメージしながら題材選びをやるのだが 選ぶだけでも時間がかかる。結構 経験のいる作業だ。

できあがった課題は 当然 私の方で修正見本を作成する。もちろん この見本づくりが難関。えらい手間がかかる。会社によっては 内容がかなり専門分野に及ぶものもあるため まずは内容と背景をしっかりと理解しなければならない。読み手の状況もある程度把握しなければならない。原本をしっかりと読みこなすのはもちろんだが それだけでは不十分。内容に関連することや読み手を取り巻く状況をネットで調べまくらねばならない。それからようやく見本づくりに入る。

手間はかかるものの 実はこの実例を題材にした修正見本づくりは面白い。実際にどういうものが社内で作成されているのか現実のビジネス状況をイメージすることができる。机上で作成した問題解答ではなく 実例である。実際にはきれいごとだけで済ますことのできない様々な制約があるし 幾つもの妥協も必要になる。なかなか教えた通りにはいかない。したがって どこまで原則に忠実にしなければならないか どこまで妥協がゆるされるのかのせめぎあいになる。しかし こうしたプロセスを経て 絶対に守るべき原則や鉄則が見えてくる。私としては 原点回帰の復習であり 錆びつかないための練習になる。

こうした実例を見て感じるのだが 世の中には本当に分かりにくい文書やスライドが蔓延している。もちろん 分かりにくい文書とは伝えようとするメッセージがしっかりと考え抜かれていないことを意味する。中途半端な考えでなされるコミュニケーションは悲惨だ。本来は一度で済むやり取りが二度三度くりかえされる。これにより生じる非生産的な業務は積み重ねると膨大なものになりそうだ。
どうやらまだまだ私の仕事には価値がありそうだ。

>> 過去のひと言一覧