過去のひと言
2025年 今年の目標
2025年あけましておめでとうございます。
70歳を過ぎると 周りからあなたの今年の目標と聞かれることはない。また 自分で今年の目標は何にしようかと考えても なかなか答えが見つからない。実際にはこれをやりたい あれをやりたいというのは結構ある。しかし 何のためにそれをやるのかということを考えると 返答に窮してしまう。
考える手順に関する言葉に「マーリン・メソッド」というのがある。マーリンというのは魔法使いの名前。英国のアーサー王物語に登場する 世界でもっとも有名な魔法使いだ。マーリンには予知能力がある。将来起きることを知っているので それに基づいてアーサー王に助言を行う。これを元に「まず将来やるべきことを考え それに基づいて今何をやるかを考える」方法をマーリン・メソッドと呼んでいる。たとえば 将来の目標を定め それに基づいて短期目標を決める。あるいは 長期戦略を定め それに基づいて短期戦略を定める。原則 ビジネスはすべてマーリン・メソッドに従う。
マーリン・メソッドを個人にあてはまると 今年何をしようかと考えるときには まず「60歳までに何をやりたいか」を考える。そのためには「50歳までに何をやらねばならないか」 したがって「今年は何をやるべきか」という具合に目標設定していく。若い人にはぜひこれで人生の目標を考えることをお勧めする。
ただし 永遠存続を前提とした企業と比べて あるいは有限責任が原則の企業と比べて マーリン・メソッドがすべての「人」に適用できるとは言い難い。とにかく一日一日を乗り切るのに四苦八苦の人にとってこの方法論は意味がないだろう。また 70歳を過ぎた私にとってもあまり現実的ではない気がする。
それでは 私にとっての目標設定とはいかにあるべきか。ちょっと考えたのだが アメーバ・メソッドというのはどうだろうか。とにかく今年は今やりたいことや やらねばならないことをやる。ダボハゼ的な決め方で結構。何のためにそれをやるのかなどという長期目標も考えない。そしてそれから一年後 たとえば「去年はこれをやったから来年はこれをやろう。あるいは数年後にはこれもやれるかもしれない」と考える。つまりアメーバのように発展性があればどこに向かって発展しようが構わない 発展するだけで十分という考え方だ。そしてよく考えてみるとそのように決めた「やるべきリスト」にはすべて何らかの発展性が内包されている。そう考えると結構気が楽になる。いかがだろうか。
アメーバ・メソッドに従えば 私の今年の目標は
● 去年は100キロマラソンの74キロ地点で熱中症になった。今年は予防とトレーニングをしっかりして100キロ完走を目指そう。まずは今月から月200キロ走ろう。
● 去年は英語でZoom会議をやる機会があった。今年は 英語の勉強のために週3回はTEDを聴こう。
● 最後に 昨年 10数年ぶりに米国発祥の某ビジネス・コンセプトに関する問い合わせがあった。再度 このコンセプトの現状を研究してみよう。もしかすると日本に紹介する価値があるかもしれない。もちろんないかもしれない。
と考えていると 3ヵ月前に友人からもらったアリストテレスの人生論に関する英語本が机の横にあるのに気づいた。序章だけで20ページあったのでちょっとビビっていた。そうだ まずこの「人生論」から手に付けるようにしよう。ささやかながらこれも「やるべきリスト」に入れておこう。
2025年2月 AIの間違い
最近 時々 AIを使用する。特に高度な利用をしているわけではない。用途は 翻訳とちょっとした調べもの そして孫の学校の宿題だ。
Chat GPT(無料版)とGoogle Gemini(無料) の両方に登録しているが 今はもっぱらGeminiを利用している。利用初めの頃 Chat GPT(無料版)では元になるデータが2019年までのものだったからだ。これでは最新情報を得られない。また 英語への翻訳など Geminiの方がChat GPT(無料版)よりも解説が親切なために勉強になる。ところが 左脳を使うロジカルな作業になると Chat GPTの方に軍配が上がりそうだ。その前に まずは「AIも間違える」ということを肝に銘じておかねばならない。
ちなみに Chat GPT-4(有料版)で 2022年の日本の医師国家試験を解かせたところ 正答率は必修問題で 82.7% 基礎・臨床問題で77.2%。それぞれ合格点だったという。しかし逆にいえば 百点ではないということだ。誤答箇所を調べたところ 医学知識の不足や日本特有の医療制度に関する情報不足に加えて 計算問題での誤りなどがあったという。AIだって計算間違いするのだ。
ついさっき Geminiで「2月8日東京15時はアメリカのサンアントニオでは何時か」と聞いたところ 「2月8日午前1時だ」と回答があった。「0時の間違いではないか」と再度聞いたところ 「あなたが正しい。先ほどの答えは間違いでした。申し訳ありません」との回答。ちなみChat GPTでは0時と正確な答えだった。なんでこんな単純な計算で間違うのか不思議でしょうがない。
先日中学2年の孫の化学で 分子の結合エンタルピーの宿題が出た。えっ?こんな難しいことをやっているのかという話はさておいて 例えば、「2H2+O2→2H2Oの反応」では反応前の結合エンタルピーは1370kJ。反応後は1852kJ。反応後に482kJ増える。
この変化は吸熱作用なのか発熱作用なのか うろ覚えを確かめるために Geminiに尋ねてみた。日本語で尋ねたところ「エネルギーが増加しているのだから482kJの吸熱作用だ」という。なるほど。しかし 時差のこともあるし 多少の不安があったので 英語で同じ質問をGeminiにしてみた。そうすると 何と英語の回答では 真逆の答え「482kJのエネルギーを放出する発熱作用」だという。結果から言えば 英語の方が正しい。化学反応の結果 分子が形成される作用はエネルギーの放出作用なのだ。日本語の説明は 実は間違いやすい誤った回答だった。英語のGeminiではここは誤解しやすいと解説していた。日本語でこの間違いを指摘したところ「日本語の回答は間違いでした」というお詫びメッセージ。
なぜ 日本語と英語で回答が違うのか。やはり学習のもとになる情報量の差なのだろうか。ちなみにChat GPT(無料版)で日本語で同じ質問をしてみたところ 正解を答えてくれた。どうやらロジカル作業に関してはChat GPTの方が上のようだ。日本語版 Geminiの奮闘を望みます。
2025年2月 ドッペルゲンガー現象
先日 ニューズウィーク誌(日本版2月25日号)のPicture Powerの欄でドッペルゲンガーが特集されていた。カナダ人アーティスト フルネル氏の「世界のそっくりさん」を撮影する25年がかりのプロジェクト(「I’m Not a Look-Alike!」)の紹介だ。ドッペルゲンガー?・・・ほとんどの人にとって聞いたことのあるような無いような言葉だろう。いわゆる「そっくりさん」で使われるけれども 語源のドイツ語(「二重に歩く者」)はより深い霊的な分身を指す言葉だという。
ニューズウィーク誌に掲載されている2人1組の写真をみると本当に不思議だ。その多くが全く同一人物に見える。しかし 映っている2人は双子でも兄弟でも親戚でもない赤の他人。顔認識ソフトを用いた被写体の「そっくり度」を分析した結果 学術誌セル・リポーツに掲載された32組の写真のうち 16組で見た目のそっくり度が一卵性双生児と同等と判定されたという。
しかし本当に驚くのはそっくり度が見た目にとどまらないことだ。そっくりさんの中には 見た目だけではなく 性格や趣味などが驚くほど似ている人がいるという。ある人は同じ名前を持ち 妻の名前も同じ。さらに同じ歳の息子がいるという。また気象予報士をしている人が小さいころからつけていた気象記録のノートをそっくりさんに見せたところ 相手も子供のころから毎日天気を記録していたという。・・・これらを単に「偶然」という言葉で片づけていいのだろうか。
フルネル氏によると このプロジェクトの本質は「自分とは何者なのか」「私たちは何なのか」「私たちは自分が思っているような自分なのか」という問いかけにあるということだ。かなり哲学的だし 掲載された写真と解説を読んでいると この問いかけなど序章にしか過ぎないのではないかという気すらする。
「小さい子供がまったく経験したことのない 自分とは無関係のイタリアの片田舎で過ごした過去の記憶を語りだした」という話がある。子供が口にした過去の記憶を調べてみると実在した人物の本当の話だと判明しという。ただし この記憶は成長するにつれて消えていくらしい。同様の話がいろいろなところで紹介されているので 耳にしたことのある人も多いだろう。そんなの嘘っぱちだという人もいるだろうけど 私は信じる。そして ドッペルゲンガーも同じ線上にある話に思える。
真偽のほどは不確かだが 人間は死ぬ時にわずかに体重が減るという。私が思うに 人間には生命の根源や記憶に関する 実在する(質量を持つ)「何か」が存在して その何かは死んでもしばらくは(約49日間)周りの空間で生きながらえ 徐々に消えていく。しかし その一部はもう少し長く生きながらえ 四次元的に移動し他の人の誕生時にその人の中に潜り込むのではないかと考えている。ドッペルゲンガー現象もこの何かが分裂して別々の人に潜り込む現象かもしれない。
どうだろう・・・私が考えるSF小説のネタの一つだ。
2025年4月 トラック業界チラ見
最近 トラック業界の再編に関する記事に目が留まった。乗用車業界では日産のみっともない話が目を引くが よく見るとトラック業界はよほど戦略的にしかもスピーディに事が進んでいるようだ。
私事で恐縮ながら 1985年暮れ 経営コンサルタントになって最初に任された仕事がトラックのアジア市場戦略調査だった。当時は ダイムラーがダイムラー・ベンツと呼ばれ 商用車部門を別会社化する以前だった。その時 ダイムラーはインドネシアをはじめとする東南アジア市場で日本のトラック・メーカー とりわけ三菱に押され気味だった。当時 ダイムラーのトラック責任者と話したところ なぜ三菱があの価格でトラックを作れるのか全く分からないと嘆いていた。それから20年後 2005年にダイムラーが三菱ふそうを三菱自動車から買収することになる。20年かけた執念とも言えるだろう。
ダイムラーが三菱ふそうを手に入れた翌年 2006年 日産は日産ディーゼルの株式をボルボに売却。2010年社名をUDトラックスに変更した。この時点で国内商用車シェアは 1位いすず、2位日野、3位三菱ふそう、4位UDトラックスだった。ボルボも世界トップ10に入るトラック・メーカーだが 国内的にみると いすず/日野/ 三菱ふそう/ UD(旧日産ディーゼル)という4社体制に変更はない。しかし冷静に見て 日本に4社もトラック・メーカーは要らないだろう。そして当然の流れのように 2021年 いすずがUDトラックスを買収。これで商用車は3社体制になった。
そしてつい最近 日野と三菱ふそうが対等統合し 別途にダイムラートラックとトヨタが対等出資する持ち株会社を設立。その持ち株会社が日野と三菱ふそうの統合新会社を保有するという発表があった。ちなみにダイムラーは三菱ふそうの9割近くを保有する親会社で トヨタは日野の過半数を保有している。この統合の話は2023年には合意していたことのだが 日野の検査データ不正問題の処理のために実施が伸ばし伸ばしになっていた。
これで国内のトラック・メーカーは実質いすずとトヨタ・ダイムラーの2グループ体制になった。一方 世界的にみると もともとダイムラーは実質世界トップのトラック・メーカーだし いすずや日野も世界トップ5、6に位置づけられるメーカーだ。なぜここにきて そんなに統合を急ぐ必要があるのか。
理由は中国だ。世界の商用車トップ10には 第1位の東風汽車をはじめ 中国重型 中国第一汽車 陜西汽車など4社が名前を連ねている。そして 中国メーカーのトラック・バス分野での自動運転化・水素燃料化の動きはとてつもなく早い。もっと熾烈な中国vsユーロ・ジャパン連合の戦いが進展するに違いない。
2025年5月 研修雑感
企業向けの研修を始めてすでに33年目に突入した。現在 毎年 約20社を対象に研修を実施している。毎年 2社くらいの新規顧客が加わり 2社くらいの顧客が一段落で休憩・終了していく。1回限りの顧客はめったにいない。つまり 20社のうちの18社は継続実施。リピート率は90%になる。従業員数百人の中堅企業でも最低2、3回は継続実施いただいている。
一番長く継続実施頂いている顧客は三井住友ファイナンシャルグループ(グループ各社から参加)だ。三井住友銀行単独で実施している時から数えると23年目に入っている。プルデンシャル生命グループ、NTTデータ経営研究所、九州アジア経営塾(九州の企業リーダーを育てる非営利団体)なども約20年継続している。ライオン、商船三井、住友林業なども10年以上継続実施頂いている。
というわけで 今はほとんど営業・宣伝活動は行っていない。実施している研修に全力で取り組むこと自体が営業になっている。なにせ 新規顧客の1/3は私の研修を受講した知人・社員からの紹介で 1/3は以前私の研修を受けた人が転職先企業で実施したいとの問い合わせだ。残りの1/3が小著を読んでの問い合わせとなっている。
ただし 20数年前 この研修活動をメインにしようと活動し始めた当初は大変だった。それまで主流にしていた経営コンサルティング事業を研修事業に切り替えようとした時期だ。何せこのような「考える技術・書く技術」の研修自体が世の中に存在しなかった時代である。いろんなツテを頼りに 企業の人材育成担当者にPRして回った。
私の説明を聞いてお試しにこの研修をやってみようという企業は皆人材育成に積極的で はっきり言って成長企業ばかりだ。先に名前を挙げた顧客企業は皆そうした企業である。しかし当時 企業の人材育成部署は千差万別だった。つまり 企業によって人材育成への関心や力の入れ方が千差万別だった。
人材育成に力の入っていない企業(すなわち 将来の成長が疑わしい企業)は人材育成部署の担当者と面談すればすぐに分かる。今はそういう企業は少ないだろうが 人材育成部署がいわゆる窓際的な人の溜まり場になっている企業もあれば 既存の研修プログラムを何の見直しもせずにそのまま引き継いているだけの(新たなリスクや面倒は犯したくない)企業もあれば 儲けた時にだけ研修にお金を使う(つまり 研修予算が儲けに左右される)企業もある。20年前 担当者と話をして こりゃひどいと思った企業が何社もあった。その筆頭が20年前のソニーとキリンビールである。
面談内容は覚えていないが ソニーの人材育成担当者と会ったとき これがあのソニーかと驚いたことを覚えている。まったく新規の話に関心を示さなかった。キリンビールも同じ。今でも覚えているが いかにも窓際的な副部長に「そんな研修は今までやったことがないので実施は無理です」と言われてしまった。帰り際 同席した若手社員から「申し訳ありませんでした」と謝られてしまったことを覚えている。
なぜ企業名を出すのか。それは 日経新聞の「私の履歴書」に ソニーの平井元社長とキリンホールディングの磯崎元社長が相次いで登場したからである。この二方の共通点は企業内で傍流の道を歩んでトップになり 低迷する経営を立て直したという点だ。平井氏は電子機器ではなく ゲーム出身。磯崎氏はビールではなく ホテル業出身。
20年前 私が人材育成担当者とお会いしたときは両社ともに最悪の時期だったらしい。はっきり言って当時 ソニーもキリンビールも将来はないだろうと思っていた。しかし この2社は何とか最悪期を抜け出したらしい。ともに傍流の改革者に恵まれたからだ。しかし 低迷脱出に10年以上かかっている。もちろん 面談してひどいと思った有名大企業の中には 改革者に恵まれず 残念な状況に陥った企業も複数ある。
要は 人材育成部署を見れば企業の現状と未来が見える。はっきり言って私の現在の研修顧客リストを見れば皆成長企業だ。しかし ひどいと思われる企業でも ソニーやキリンビールのように改革者の出現により起死回生する企業もある。ただし 10年はかかる。
2025年8月 孫のラグビー応援
2025年9月 明快なライティングとは・・・
私が主催する研修「考える技術・書く技術」に 関心を示す企業は大企業であれ 中堅企業であれ みな向上心に富む企業だ。
ここしばらくは 中堅企業(従業員千人以下)の新規依頼が毎年2、3件続いていた。こうした企業を見ていると成長企業特有の状況が見て取れる。例えば しばらく前は 単一の商品・サービスを売っていたのだが 成長を続けてくると必然的に複合的な商品・サービスを売るようになる。つまりシステムを売るようになる。
システムを売るようになると 単一の商品を売るのと異なり 売り方が異なる。以前は一つの商品機能をアピールするだけでよかったものが 今度は総合的なメリットをアピールする提案書が必要になる。システムを売る提案書は複合的な視点が必要になるため 単一の商品・サービスを売る提案書とは本質的に異なる。
また システムで故障や問題が起きたとき 単一の商品を売るのと異なり その原因発見プロセスは格段に複雑になる。システムではいろいろなことが複合的に絡み合って問題を起こすからだ。したがって問題原因究明の報告書では格段に明快で論理的なライティングが必要とされる。
つまり システムを売るのと単一の商品を売るのとでは 売り込みからサービスまで 考え方が異なるのだ。そして 必要となるライティングも異なってくる。難易度はレベルアップする。よく見ていると これは中堅企業から大企業への避けて通れない発展過程のように見える。
さて 今年は驚くことに 日本を代表する超大企業2社から新規研修の依頼があった。私の研修は今年で33年目。これまでに私が直接教えた企業だけで250社 25,000人におよぶ。私が翻訳したバーバラ・ミントの「考える技術・書く技術」は新版旧版併せて38万部売れているし 小著「入門 考える技術・書く技術」も電子書籍やオーディオブックを併せると20万部以上売れている。なので 少なくともこうしたことに関心を持ちそうな大企業の間ではそこそこ名前は知られていると思っていた。実際 ここ数年 そうした大企業からの新規依頼はなかった。
改めて大企業の方と話をしてみると 大企業なりの悩みが見えてくる。まず共通するのは忍び寄る大企業病への懸念である。たとえば 大企業では 報告を効率化するために 報告書フォーマットをある程度統一化しようとする。これである程度の効率化は達成できるのだが 時を経つと別の問題が起きてくる。例えば フォーマットを埋めていくことに書き手の意識が行ってしまい その報告書で結局何を言いたいのか メッセージに対する意識が薄まってくるのだ。いわゆる 「So What?」だ。
別の悩みは国際化だ。国際化した大企業では 日本本社で作成した報告書を海外法人と共有しなければならない。ところが日本語の報告書を英訳すると 海外でまったく通じないという事態が発生することがある。つまり 日本語で何とか通用したあいまい報告書の問題が英語で露呈するという事態だ。
昔 某巨大米国企業の日本法人社長(米国人)が日本の調査会社に調査を依頼したことがある。調査会社は大手の伝統的な日本の会社だった。その調査会社は出来上がった日本語報告書をバイリンガル社員に英訳させ 日本語版と英語版の2つの報告書を提出することになった。その英語版報告書を読んだ社長は愕然とした。報告書の内容が理解できなかったからだ。結局 調査会社の日本人調査担当者を呼びつけ 自社のバイリンガル社員を同席させ 逐一Q&Aを繰り返しながら その自社のバイリンガル社員に再度ゼロから英訳させたという。笑い事ではない。同じようなことが今も日本の大企業の本社と海外法人の間で発生しているかもしれないのだ。
中堅企業も大企業もライティングの悩みは尽きない。明快なライティングとは明快な考えに他ならないからだ。
>> 過去のひと言一覧