過去のひと言


2009年6月No.2 ニューヨークにて

先月、5/21-27 と、ニューヨーク、フィラデルフィアを回ってきました。行きの機内で映画「感染列島」を見たせいもあり、いつもより念入りにマスクをしていたのですが、 ニューヨークに着いてみると、案の定、マスクをしている人など一人もなし。周りからの奇異の視線に耐えられず、それ以降はマスク無しとなりました。

しかし、マンハッタンに住むアメリカ人の友人の話では、「中学生の娘が新型インフルエンザにかかり、先週回復したばかり。学 校も休校になった」とのことですから、かなりの流行はしていたようです。ただし、米国では通常のインフルエンザ体制と同じだったようで、実践重視のアメリ カ的対応。致死率の高い鳥インフルエンザ体制に固執した日本とはえらい違いでした。ともあれ、このインフルエンザ騒動で出張自粛や旅行自粛が相次いだ性で しょうか、驚くほどに日本人の姿が少ないマンハッタンでした。

ちなみに豚インフルエンザの豚は、PigではなくSwineで、“Swine Flu(豚インフルエンザ)”。鳥インフルエンザも、ついチキンと言ってしまいそうですが、ChickenではなくBirdで、“Bird Flu”。

さて、先月の5月25日はアメリカの祝日、メモリアル・デー(戦没将兵追悼記念日)。南北戦争以来、あらゆる戦争で亡くなった兵士を追悼する日です。マンハッタンは色々の行事で人が一杯でした。ちなみに、南北戦争は、英語ではThe Civil War。いわゆる“内戦”です。これは分かりやすいですが、独立戦争はアメリカでは何と言うかご存知ですか?正解はThe Revolutionary War、革命戦争、アメリカ人にとってはあくまでも革命のための戦いなわけです。ただし、英国ではAmerican War of Independence(アメリカ独立戦争)と呼び、革命とは呼びません。ところ変われば呼び名も変わる。納得です。

2009年6月No.1 GMの未来がある場所

6月1日、GMがチャプター・イレブンを申請した。オバマ大統領の極めて現実的なアプローチが実に印象的だった。チャプター・イレブンの申請を言っているの ではない。そのタイミングのことだ。米国のビジネスを多少でもかじっている人ならば、かなり初期の段階で、方法論としてはチャプター・イレブンしかないこ とは分かっていた。私を含め、現実的に一つしかない方法論に行き着くのになぜこんなに時間をかけるのかと思った人も多いはずだ。しかし、今、考えてみる と、クライスラーにチャプター・イレブンを申請させた後でというこのタイミングは実に絶妙で考えに考え抜かれている。オバマ大統領、恐るべし。

さて、GMがチャプター・イレブンを申請し、トヨタが名実共に世界の自動車業界のトップにとって代わった今、様々なメディアがGMの未来を論じている。識 者のコメントを聞いている限り、総じて悲観的な話が多い。本当に、GMには明るい未来はないのだろうか?このまま尻つぼみとなって行くのだろうか?・・・ そう、正直な話し、私も、GMには未来はないと思う、彼らが今までの延長線上のロジックで未来を考える限りにおいては。

経営コンサルタントとしてオバマ大統領やGMに、ぜひ言っておきたい。「今までの自動車産業のビジネスロジックで考える限り、GMには未来はないだろう。 今は、モーターがエンジンにとって代わり、自動車からエンジンがなくなる時代だ。今は、プラグイン方式で家庭用電源がガソリンにとって変わり、ガソリンス タンドが不要になる時代だ。こんな時代に、今までの自動車ビジネスのロジックが通用するわけがない。GMにトヨタと提携しろとアドバイスする人もいるかも 知れないが、そんな事には真剣に耳を貸さない方が良い。GMが本当に必要としているパートナーは自動車業界にはいない。」

「1950年代半ば、日本の田舎企業、トヨタがジャスト・イン・タイム方式を学んだ相手は、GMではなかったことを思い出して欲しい。トヨタがジャスト・ イン・タイムのヒントを得、学んだ相手は、GMではなく、米国のスーパーマーケットの流通システムだった。大きな変化の源は自らの業界の外にあるものなの だ。(注)」

「GMが未来を語り合うべき戦略パートナーは、そう、例えば、グーグルだ。ほんの少し、グーグルの独禁法問題を脇に置き、オバマ大統領がGMとグーグル連 携の後押しをするだけでよいだろう。もちろん、アップルとの提携も面白いし、アマゾン・ドットコムも流通面での提携相手とはしては面白い。未来の車作りを リードするのはGMやトヨタではない、グーグル世代やiPhone世代の消費者であることをGMが自らのメッセージとして、自らの未来として発信するの だ。」

(注):小著「P&Gに見るECR革命」(ダイヤモンド社)、「トヨタ自動車50年史“創造限りなく”」

2009年5月No.2 新型インフルエンザ

約一週間フィラデルフィア、ニューヨークに行ってきます。アメリカ人から奇異の目で見られそうなマスク必携の旅になりそうです。

しかし、今回の新型インフル エンザ騒動はどうしても解せません。もちろん、余りに過剰ともいえる水際対策の事です。飛行機の中に怪しい人が一人居れば、検査の間、その飛行機の中にし ばらく閉じ込められるわけですから、何ともなかった人もその間に感染してしまいそうです。しかも近くにA型インフ ルエンザ陽性の人がいただけで、精密検査だけのために何日間も隔離状態に置かれます。しかし、新型インフルエンザは1週間もの潜伏期間があり、しかも、も ともと日本人がかかるインフルエンザはほとんどがA型です。いったい、ここまでしてどれだけの効果があるというのでしょうか?

私にとって、この措置に関するもっとも説得力のある解説が「この水際検査は時間稼ぎが目的であり、この稼いだ時間の間に体制を整えることが出来る」というものでした。・・・なるほど。しかし、5 月18日、関西での感染者数があっという間に百人を超えた時、この時になってあたかも今までまったく予期出来なかったかのように、検査・治療機関の不足が 叫ばれ、学校閉鎖や集会禁止の経済的な影響が叫ばれ、橋下知事が晴天の霹靂(へきれき)のように「大変だ」と舛添厚生労働大臣に要望を出し、大臣はあたか も予想だにしなかった事が起きたように「調査・検討します」。いったい、この水際検査の目的は何だったのでしょうか?

そう言えば、つい最近も、麻生総理大臣が「百年に一度」の経済危機と言っていました。百年に一度の事なので予測は無理?新型のウィルスなので事前の対応策など無理?・・・もちろん、米国の行き過ぎた金融バブルに警告を発する人は以前から多くいましたし、今回のH1N1型豚インフルエンザは2005年12月に米国ウィスコンシン州の少年に最初の感染が確認され、多くの感染学者が警告を発していたと言います。政治家や行政はつねに責任逃れをする。私たちは、この事を前提として行動すべきなのでしょうか。

2009年5月No.1 トイレ考

素人ランナー は、マラソン大会のスタート前になると、朝の寒さやウォーミングアップによる膀胱への刺激などから、やたらとトイレに行きたくなります。かくして、マラソ ン大会で準備される仮設トイレの前はいつも長蛇の列。これこそが素人ランナー共通の悩みであり、恐らくは、大会主催者の共通の悩みに違いありません。以下は、私が今シーズン出場した3度のハーフマラソン(世田谷246、神奈川ハーフ、立川・昭島)と3度のフルマラソン(NAHA、東京、長野)を対象にした、主観と偏見に満ちた仮設トイレ評です。

1) 最優秀賞:立川・昭島ハーフマラソンの男子用仮設小便器。スタート地点にあった男性用仮設小便器にはびっくりしました。砂のような水分吸収剤が詰まった専 用パックを受け取り、ダンボールでできた小便器に自分でセットし、それに向かって用を足します。用を足した後は、そのバッグを自分で取り出し、専用ゴミ箱 にポイするだけ。実に良く出来ていて、的をはずす心配は無用。便器設備はすべてダンボール製で下水設備も不要。仮設トイレの設営に必要な手間や設備を大幅 に簡略化した、実にエコな未来型アイデア。脱帽です。

2)優秀賞:東京マラソンの仮設洋式トイレ。マラソン大会で洋式の仮設トイレは私にとって初めての経験でした。実に清潔。普通の仮設トイレは和式ばかりで汚く、仮設トイレとはそういうものだとばかり思っていたのですが、今までの常識が覆されました。実に素晴らしい。

ある高名な社会学者いわく、「トイレは文化を象徴する」。私は、お客さんのオフィスに行った時には意識してトイレをお借りするようにしています。トイレにお金を使っている会社、使わ ない会社、ペーパーの散らかっている会社、やたらと張り紙の多い会社など、実に様々です。・・・「企業文化を知りたいと思えば、トイレを借りよ」(隗コン サルティング会社のマニュアルから)。

2009年4月No.2 旺文社の試み

先日、旺文社の知り合いから、同社が沖縄県、うるま市と共同で推進してきた、すべての授業を英語で行なう幼小中一貫校(沖縄アミークス)の説明書が送られてきました。2011年4月に開校予定だそうです。(http://www.amicus-okinawa.jp/)。

ちょっと古いかもしれませんが、旺文社と言えば「赤尾の豆単」。英語教育を出発点に創立された学習出版社で、現社長は創立者の次男にあたります。同社は、 数年前から群馬県太田市の「ぐんま国際アカデミー」で同様の試みを行なっていますが、この沖縄アミークスはそのノウハウを発展させた、赤尾社長の夢実現の 第一歩と言ったところなのでしょう。

実は以前、旺文社の経営のご相談に乗った事があります。その時、社長に将来の方向性をお尋ねしたのですが、余り明確な事はお話し頂けませんでした。しか し、その後、ぐんま国際アカデミー、そして、今回の沖縄アミークスと具体的なものが形になるにつれ、なるほど、原点に将来を見出したのだなと感じ入りました。人づてに聞いた話しですが、これらの事業には社長自身の懐から多くのお金が寄付として投じられているそうです。

おもしろかったのは、送られたきた説明書に、時系列的に新聞の切抜きが同封されていたことです。それを読むと、学校向けの用地利用に関連し、いったんは、うるま市議会で本件を否決(昨年12月)。その後、本年3月末のタイムリミットに向け、県と市と旺文社で10回を越す市民向け説明会が繰り返され、3月になってようやく理解を得、市議会の賛成が得られたそうです。・・・正直、どうみてもそんなに儲けにはなりそうもないですし、反対などなさそうなことです が、・・・夢実現とは実に大変なものなのですね

2009年4月No.1 オフィス移転

昨日、オフィスを渋谷から三軒茶屋に移転しました。4月1日から数日間、ホームページが不通となっていた点、お詫び申し上げます。

そろそろ自分のビジネスをConvergence(集 束。収束ではありません)ステージとして位置づけようと考えていましたが、今回の移転はその第一歩です。今回の移転により、少しではありますが職住接近を 達成する事ができました。一番の無駄、通勤時間の削除です。近々、通勤をランニングとすることにより更に無駄を省く予定です。

ランニングといえば、先日、東京マラソンを走ってきました。東京マラソンは片道コースで、スタートから7、 8キロは下り坂が続きます。この下り坂のせいもあり、残念ながら今回もまた、スタートからしばらくの間を抑えて走る事が出来ず、後半、失速の憂き目にあい ました。約27キロ地点にある雷門の遠かった事、・・・。何とか4時間は切りましたが、本当にしんどかったですね。さて、4月は長野マラソン、今シーズン 最後のマラソンはのんびりと走ってくる予定です。

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