過去のひと言
2021年1月 不要不急のお正月
年内冬至過ぎに穴八幡宮(早稲田)にお参りし一陽来復のお札を頂き 三が日のうちに明治神宮に参拝するのが我が家の習いになっている。穴八幡宮は知る人ぞ知る融通の神様 つまりお金の融通を助けてくれる神様。ここで頂く一陽来復のお札を 冬至の夜か 大みそかの夜か 節分の夜に 決まった方角に向けて貼ると 一年中 お金に困ることはない(と言われている)。明治神宮は 実はもう40年以上ずっと新年にお参りしている。大神社なので私ごとき者の願いは聞き入れてはくれないだろうと思いながらも 神道の私にとっては何となくご本尊みたいになっている。
不要不急の外出は控えましょうという掛け声の中 確かに初詣は不要不急かもしれないが これは私にとって一年の終わりと初めの大切なルーティーン。というわけで 昨年の12月25日に穴八幡宮に出かけた。一昨年ほどではないにしろ 平日の昼過ぎにもかかわらずそれなりの人の出だった。まあまあこんなもんだろう。しかし 明治神宮の人出はこんなもんでは済まないかもしれない。行くとは決めたものの 問題はいつ行くかだ。
元旦の朝 テレビを見ていると 参拝客はガラガラ。それじゃということで 元旦昼過ぎの参拝と相成った。行ってみると本当にガラガラだった。我が家の分と娘一家の分の二つのお札を拝受し 本殿の中で参拝する。さすが今年は三密回避ということで ご祈祷の内容も簡素化。雅楽演奏や神楽舞はすべて省略。考えてみればこれで必要最小限。本質に戻るとこうなるのかもしれない。ただし ご祈祷というのはやはり一つの儀式でありお祭りみたいなものだから神様もさぞかしさみしい思いをしたかもしれない。また雅楽の演奏者や神楽舞のアルバイト(?)の巫女さんは大丈夫なのだろうかと要らぬことが頭をよぎる。
さて今年頂いた年賀状のなかに 年賀状は今年で最後にしますと書かれたものが4、5通あった。例年になく多い。この種の但し書きつきの年賀状は数年に一回あるかないかで 昨年はゼロだった。私も高齢者なので 年賀状も同じ年代から頂く場合が多い。高齢者の方の場合 どこかで断捨離したいとか 何か一区切りをつけたいという気持ちがあるのだろう。よくわかる。また 今やLINEやメールの時代。年賀状に意味を感じないという考えもよく理解できる。とりわけ 裏も表もすべて印刷 その上 内容が「あけおめ ことしもよろしく」的なものだと実に興ざめだ。
しかしそれでも 年賀状に添えた一言でその方の近況がうかがい知れる場合もあれば 年賀状の家族写真に目を奪われる場合もある。あえて最後の年賀状と宣言する必要もないと思うのだが・・・と考えているうちに これもコロナの影響があるのかもしれないと思い始めた。つまり 新年のご祈祷の神楽舞のようなものだ。不要不急の外出は避けようと繰り返し言われているうちに 不要不急のことが悪者みたいなレッテルを張られ 年賀状が不要不急探しの犠牲になったような気がする。
昨年は 例年になく多くの方から 喪中のため年賀状辞退のお葉書をいただいた。全員が親御さんの逝去だった。驚いたのは 亡くなられた親御さんの年齢だ。一番若くお亡くなりになられた方が89歳 最高齢は102歳 平均すると95歳くらい。本当に人生百年の時代になったのだ。人生百年という観点に立てば ほとんどが不要不急の積み重ね。早く 不要不急が大切に思える時代に戻るといいね。
2021年3月 コロナが続く中
昔は 「二月は逃げる 三月は去る」と語呂合わせで言ったものだが 本当に 2月 3月は早く過ぎていく。
さて 辛うじて望みをつないでいた富士五湖ウルトラマラソンも 先月中止が決定。これで 昨年3月以降すべてのマラソン大会が中止になった。今も走ってはいるが ダイエットを兼ねたジョギング程度。やはりモチベーションをつなぐのはとても難しい。
そういう状況の中 東京マラソン財団主催のバーチャルマラソンが開催中だ。アシックスのランニングアプリをスマホにインストールし 既定の距離を走るというものだ。データは自動的にアスキー経由主催者の元に届くという仕組みになっている。先週は そのフルマラソン・プログラムに参加。一週間何度走ってもよいので合計で42.195kmを走るというもので 参加者には今年10月の東京マラソン出走権が当たる。久しぶりにしっかり時間を計りながら 気合を入れてランニングすることができた。バーチャルなんてと若干馬鹿にしていたが やってみるとなかなかのモチベーションになる。
これには4600人くらいが参加し 3799人がフルを走っている。その中から600人に東京マラソンの出走権があたるのだから悪くない確率だ。今 楽しみに抽選結果を待っている。ウェブで参加者の記録データを眺めることができるのだが よく見ると 走行距離42.190kmで完走に至っていない人が何人もいる。つまり50mだけ距離不足ということだ。明らかな凡ミス。かわいそうだが 走る前の注意書きには 「GPS測定のため若干の狂いがありえる。距離は余裕を持って走るように」とある。教訓 細部のツメは重要。
今週は 東京マラソン中止で走れなかった人(つまり参加料1万5千円を徴収されて腹を立てた人。私もその一人)を対象に バーチャルマラソン(ハーフ)が行われている。これは 一度にハーフを走るというもの。参加者には抽選で100人に2023年の東京マラソン出走権が当たる。もちろん これにも参加だ。今日午後にも挑戦しようかと思っている。
欧州・アフリカ各国で新型コロナが猛威を振るっている中 東京オリンピックはいったいどうなるのか未だに見えない。私は趣味で走っているだけだが 生活のかかったプロのアスリートのモチベーション維持の大変さは想像もできないほどだろう。 個人的には ワクチン接種は医療従事者の次はオリンピック候補選手たちにやってもらうのがよいと思っているのだが オリンピックの基本方針が未だ見えていない状況ではそういう議論もやりにくいのだろう。
先日 ハワイに住む次女と話をしたが 医療従事者に続き 軍関係者や学校の先生など いわゆるEssential Workerはすでに二度目のワクチン接種を済ませた人が多いらしい。一度目は何のことはないのだが 二度目の接種で気分が悪くなったり 吐き気が続く人がけっこう出ているという。あくまでも娘の話だが とくに40~60歳の女性にそういう症状が出る人が多いという。私は世田谷在住の高齢者なので どうやら東京都のワクチン接種では優先順位が高いらしい。接種が終わったらなる早でこの欄にて報告したいと思っています。いつになるかはわかりませんが・・・
2021年4月 テレ会議アプリ
弊社のオンライン研修は今迄ずっとZoomで提供している。MS.TeamsやWebexのテレビ会議では画面上の参加者一覧表示の数に問題があったからだ。昨秋まで Teamsは9人 Webexは16人が参加者一覧表示の上限だった。一方で 弊社のオンライン研修は参加者の上限が18人。弊社研修では 常に参加者全員を見ながら運営していくので 参加者一覧表示は18人プラス私で19人必要となる。18人以下だと研修を実施できないのだ。一方で 昨年は Zoomのセキュリティ不安などのため どうしてもZoomでの研修参加の許可がとれないという主催者もあり その結果 オンライン研修は実施見送りとなるケースもあった。
ところが 昨年秋に TeamsもWebexもこの問題を克服し それぞれ 49人 25人までの参加者一覧表示が可能になった。これで最大のボトルネックは解消。弊社もTeamsやWebexでの対応が必要になるかと思いきや その間に 主催各社のZoomシステムの理解が進み あるいは ネットワーク管理能力も増強されたみたいで 今やほとんどの主催者でZoom研修が解禁となった。
ほとんどと書いたのは 実は最近 複数の金融関連企業からZoomではなくWebexでの研修実施の問い合わせがあったからだ。やれますと返事はしたのだが 今時 Zoom NGという企業があることがちょっと気になった。私がホストになり 研修参加者はブラウザから参加すればよいのだから 何の問題もない気がする。そこで 知り合いにこの話をしたところ それは金融庁絡みだからですよという話になった。聞くところによると 金融庁は全組織でテレビ会議にWebexを採用しており 金融業界各社にもWebexを強く推奨しているらしい。ちなみに ネットで調べたところ 使用しているテレビ会議アプリは 省庁により異なる。もちろん私の研修は金融庁そのものとは何の関係もないのだが どうもその余波が現れたらしいのだ。
いちおう参加者一覧表示の上限数というボトルネックはクリアしたので 私のオンライン研修もWebexで可能になった。ZoomはもともとWebexの開発者だった人が立ち上げた企業なので ZoomとWebexは基本コンセプトや画面表示が似通っている。それでも 私の研修はZoom実施を推奨している。やはり私にとってはZoomの方が圧倒的に使いやすいのからだ。
最大のちがいは Zoomのデュアルモニター機能だ。私の研修では主催者である私が 1台のZoom発信PCで2台のモニターを使用している。片方のモニターに参加者一覧画面を映写し 片方のモニターで研修中の説明資料を映写している。実はこれが実に便利なのだ。WebexやTeamsにはこの機能がない。
WebexやTeamsでもアプリ共有などの機能を使えば 共有するパワポ資料を別モニターで表示するなどもできるので 通常の社内プレゼンはこれで大丈夫なのだろう。しかし私の場合 ビデオスイッチャーという入力映像切り替え装置を使い パワポ画像 書画カメラ 私の説明カメラの3つの画像を瞬時に切り替えるというやり方を取っている。私の場合 書画カメラを使用するので 実質 このやり方しかない。これがWebexやTeamsではできないのだ。したがって 私の場合 もう一台PCを持ち込んで 参加者としての画面を見ながらの進行となる。実に面倒なのだ。
しかもTeamsの場合 自分の画像が自分のモニターでは左右逆転という現象が起きる。MS Skypeからの名残だが 私の研修ではこれが不便この上ない。
Teamsはいうまでもなく Webexにも使用者視点がまだまだかけている気がする。ほんのちょっとしたことなのだが 使用者への心遣いがZoomの発展を支えているのだろう。テレビ会議アプリなど所詮ツールだが ツールと割り切れば使い易いに越したことはない。
2021年5月 コロナ徒然
昨年の研修は 1社を除いて すべてオンラインでした。今年は 対面を希望される企業様が3社に増加。そろそろ 企業活動も落ち着きを取り戻すかと思っていたところに 再度の緊急事態宣言。さすが 緊急事態宣言下での対面研修は難しく 対面研修の予定はすべて延期と相成りました。
しかし総じてみると コロナの影響で業績悪化の会社ももちろん多いですが 中堅・大手の企業に関しては そろそろコロナ状況への対応ができあがりつつあるというところでしょうか。年内までにワクチン接種がいきわたると 年が明けるころには企業活動も平常に戻るという感じがしてきました。
もちろん これは医療体制とは別の話で 医療緊迫状況が続く中でのオリンピックに関しては あまりのタイミングの悪さというしかありません。前総理が自分の任期中にぜひ実施したいと思ったのでしょうか 1年延期で何とかなるだろうという見通しの甘さがすべての発端だった気がします。2年延期しておけば 少なくとも開催そのものは何とかなったはず。物事 最初の見通しを誤ると後が大変になるという戒めでしょう。
さて 6/7月の夏休みを利用して ハワイ在住の娘家族が一時帰国の予定です。そもそも ハワイの経済は観光と海軍(パールハーバー)で成り立っています。なかでも日系人が3割以上を占めるハワイでは日本人向けの観光業(ホテル/ショッピング/レストラン/レジャーなど)は壊滅状況。一部テレビ報道によると米国本土からの観光客は増加したそうですが それも微々たるもの。日本人向けのレストランやお店は軒並み閉店しており 環境も悪化 犯罪も増加しているとのことです。多くの人が政府による割り増し失業手当で生活を維持しています。娘によると 日系人コミュニティはまさに経済的にも心理的にもDepressionでとても居心地が悪いらしい。
というわけで 夏休みに入ると 子供のいるハワイの日本人家族はいっせいに一時帰国をめざします。ところが 日本・ハワイ間の飛行機便数は激減。まず飛行機の切符入手が大変。さらには ハワイ出国72時間前のPCR検査に加え 羽田空港内でのPCR検査。ハワイ帰国時には 指定の日本の病院でPCR検査が求められ この帰国時のPCR検査だけで一人4万円を超えます。娘本人はすでに2回のワクチン接種をしているのですが 例外にはなりません。もちろん 娘の旦那は米国籍なので日本への入国は禁止です。
日本に到着してからしばらくは公共交通機関を使ってはいけないので 親である私が東京に住んでいる場合はよいのですが これが地方にいる場合は大変です。一足先にハワイから帰国した 福岡出身の娘の友人は 福岡在住の兄弟が車で関空まで迎えに来たとか。しかし そのハワイ・関空便も今は運休になっています。東北出身の娘の友人は 近所の手前があるからという理由で 帰ってこないでくれと言われたそうです。
親としても苦労して帰国する娘や孫をウエルカムしようと頑張っています。パソコンにかじりついて 入場者制限中のディズニーランドのチケットを取り 6月開演の劇団四季「アナと雪の女王」のチケットをとりました。今年の12月にはハワイに行きたいと思っているのですが どうなることやら。
2021年6月 東京マラソン11万5千円の疑問
現在 ハワイの次女一家が現地の夏休みを利用して一時帰国中だ。子供(孫)たちは2週間の自宅待機を経て 近所にある区立小学校に通わせてもらっている。3週間弱の短期にもかかわらず 世田谷区では快く受け入れてくれる。ありがたいことだ。夏の短期区立小学校通いは我が家の恒例行事になっており 孫も学校内に知り合いがいるので楽しく通っている。
さて数日前に東京マラソン実行委員会から突然のメールが届いた。今年10月17日実施予定の東京マラソン出場抽選に落選した人あてである。コロナ下 海外からの参加を受け付けないことになったので その参加枠が余った。ついては 日本在住者で東京に前泊する人限定で先着順で出場権を付与するというもの。ただし 宿泊ホテルはスタート近くにある京王プラザホテル限定で この予約を管理するのが近畿日本ツーリスト。明確には述べられていないが 数百~千人程度の枠らしい。
さて 一人で前泊(一泊)し東京マラソンの出走権利をもらうとして 幾らだと思いますか?ちなみに 東京マラソン参加の当選率は10倍以上と言われている。
実は 今年10月31日に実施される横浜マラソンでは募集当初から横浜市内宿泊者には先着順で出走権付与という枠が設けられた。これは横浜マラソン始まって以来のことだが 主に横浜市内ホテルの振興策を考えてのことだろう。ちなみに横浜マラソンの出場当選率は5倍くらい。対象となるホテルはみなとみらいと桜木町近辺の大型ホテル数軒がリストされており 金額は宿泊代に横浜マラソン出場料がプラスされるという明瞭会計になっている。これを管理するのはJTB。土曜日のみなとみらい近辺のホテル代は2万数千円~なので 一人一泊出走権付で4万円台となる。実は 私の場合 例年 横浜マラソンの抽選に当たった時は いつも近くのホテルに前泊していたので これは私にとってはお得だ。
さて東京マラソンの場合 ホテルは京王プラザ一か所しか選択肢はない。一人一泊プラス東京マラソン出走権つきで・・・なんと11万5千円。値段を見てあいた口がふさがらなかった。東京マラソンの参加費用が1万5千円なので 宿泊費(マラソン当日の朝食のみつき)だけで10万円だ。ちょっと待ってくれ。10月の土曜日とはいえ 京王プラザで一泊10万円?信じられない。しかもこのコロナの時期である。
そもそもスタート地点に徒歩圏内のホテルは京王プラザ以外にもいくつもあるのに なぜ京王プラザだけなのか?果たして ここで得た利益はどこに行くのだろうか?近畿日本ツーリスト それとも 京王プラザ それとも 東京マラソン実行委員会?はっきり言って何の説明もないのだ。前回のマラソンで コロナのために一般参加が中止になったが 参加料はびた一文返さなかったときと同じ態度だ。
この参加費用別で10万円というのはピンとくる点はある。例年は10万円のチャリティランナー枠というのがあるのだ。リストされた慈善団体から希望の団体を選択し 10万円を寄付すれば先着順で出走権を与えるという制度だ。実は今年の東京マラソンはいろいろとイレギュラーでこのチャリティランナー制度がなかった。おそらく 主催者は チャリティで10万払って参加する人がこれだけいるのだから ホテル代込みで10万円は安いものだろうと考えたに違いない。チャリティだからこそ10万円払うというチャリティランナーの気持ちがまったく分かっていない。いったい誰が東京マラソンンを取り仕切っているのだろう。顔がみたいものだ。
2021年8月 真夏の嘆き
今年は7月、8月と 公私ともにすさまじい忙しさだった。お陰で 先月このコラムをさぼってしまった。というか 正直すっかり書くことを忘れてしまっていた。
7月下旬まで我が家に滞在していたハワイ在住の娘家族は8月初めの学校の新学期(ハワイ州は8月の始めが新学期の始まり)に間に合うように日本を発っていった。台風一過。それにしてもハワイ州指定のPCR検査に一人4万円。来日前のハワイでのPCR検査と併せると一人7万円。ワクチン接種を済ませている娘にしてみると 身に応える余分の出費だ。
精度が高くなったと言われるPCR検査だが それでも良くて90%程度の精度。つまり 10%は見逃すということだ。しかもそれは検査日当日の状況を表すにすぎない。だとすれば 2回接種で9割以上の抗体獲得(ファイザーの場合)の方がよほど確実に違いない。ところがワクチンパスポートが有効な国はまだごく一部で アメリカ イギリス フランスなどでは使えない。なぜ 早く相互条約を結ばないのかまったく理解できない。
10月31日に参加予定だった横浜マラソンは コロナのせいで早々と中止が決まった。発表によると コロナのためにボランティアが確保できないということだった。10月17日予定の東京マラソンは コロナのために海外からの参加を断ることにした結果 参加者に大幅な欠員が生じたらしい。結局 いったん落選となった私も当選となり 追加で参加が決まった。未だ中止の発表はないが この状況で本当に実施するのかは疑わしい。たぶん無理だろう。
7月1日(木)で673人だった東京都のコロナ感染者数は 8月20日(金)で5,405人。2か月で約10倍というすさまじさだ。デルタ株の感染力と破壊力は想像を絶する恐怖になっている。8月12日に行われた東京都のモニタリング会議後の記者会見では 国立国際医療研究センターの先生が「自分の身は自分で守る必要がある」と東京都知事のいる前で言い放った。信じられない。もちろん 無策状態の日本国政府や東京都に頼ることができないことは分かってはいるが それにしても都知事を前に医療専門家が「行政にも病院にも頼るな」と言っているようなものではないか。
コロナにもまして つい最近の大雨・洪水・土砂崩れには本当に心が痛む。特に熱海の土砂崩れは どうしてこんなずさんな盛り土が見逃されていたのかととても信じられない。この盛り土業者は熱海市議会ではいわくつきの問題業者だと言われているが どうしてこんな悪徳業者を放置したのか たとえ市議会議員と言えど政治家だろう。その意識を疑う。声高に言えば 無理が通るという意味では 安倍元総理の森友事件と同じ構図ではないか。
私の妻の友人が佐賀県の武雄市に住み 今度の大雨・洪水で緊急避難となった。自宅は床上浸水でしばらく生活できないらしい。ここは2年前も同じ状況だった。曲がりくねった六角川は勾配が緩く 水の流れが遅いという。このため支流の水が六角川に流れ込めず広い範囲で水があふれる「内水氾濫」を起こしやすいらしい。しかし そんなことが分かっているのなら なぜ抜本対策を講じないのだろうか?まったく理解できない。
先の東京都モニタリングでの記者会見での発言は 正しくは「(コロナ感染は)災害時と同様に自分の身は自分で守るための行動が必要だ」と言った。災害でもコロナでも 一番必要なときに市民を守れない行政をどうやって信用すればよいのだろうか。
2021年9月 人生最後かものクルマ選び
コロナもようやく落ち着いてきた。ワクチンのおかげだろうから 次に流行があるにしても ある程度のレベルに落ち着きそうな気はする。私は8月に第2回のワクチンを受けたので 第3回の接種はインフルエンザと一緒にということになりそうだ。
当然のことながら 10月に予定されていた東京マラソン2021は取りやめとなり 2022年3月に延期となった。このあおりで 2022年3月に予定されていた東京マラソン2022は中止になった。両方に参加登録していた私は 2022年3月は東京マラソン2021の出走権で走ることができ おそらく 2023年3月は東京マラソン2022の出走権で走れることになるはずだ。というわけで 一般のランナーはしばらくの間 東京マラソン参加はチョー狭き門になるだろう。
さて 今 私が乗っている車が11月に9年経過の車検を迎える。ヨーロッパでは主に車のボディサイズにより CクラスやDクラスなどにセグメント分けするが 私の今の車はセグメントC(コンパクトカーのやや大きめ)。一番ポピュラーなタイプだろう。ただ 孫を後部座席に乗せた時にあまりにも窮屈そうなので もう少し大きめのものをと考えた。海外から来る娘夫婦のスーツケースの出し入れ かつ 街中での駐車を考えると 出した結論はステーションワゴン(セグメントD)。
そうやって見ると ごっついSUVはいっぱいあるのだが ステーションワゴンそのものが少ない。欧州車にはステーションワゴンはあるが ほとんどが車幅が大きすぎる。私の選択肢から外れる。私の選択肢は 車幅180cm以下かつ車長470cm以下。実はこの選択肢にあうステーションワゴンが本当に少ない。日本車でいえば トヨタカローラ・ツーリングかホンダ・ジェイドあたりに絞られてしまう。レクサスにはステーションワゴンはない。実は プリウス・アルファ(プリウスのワゴン版)を密かに狙っていたが なぜか昨年 生産終了になった。
さして急がないので 時間に任せ 時折ネットをチェックしていたところ 新型ゴルフ・ヴァリアントの宣伝に目が留まった。フォルクスワーゲン・ゴルフのワゴン版である。7月末に販売されたばかりの新モデル。残念ながらガソリン車なのが玉に傷だが サイズ的にはドンピシャ。まさに日本市場向けのサイズなのだ。ネットで調べるとかなりの高評価である。私にとって ゴルフというのは高級大衆車の代表 素朴で無骨だが信頼のおけるドイツブランドのイメージだ。「ベンツやBMWはちょっと」というアンチ・ブランドの私にとって最適ではないか。また 自動車評論家の徳大寺さんが乗った最後の車がゴルフだったというのも頭の中にあった。68歳の私にとってはもしかすると最後のクルマ。私の人生の象徴としても相応しいかもしれない。
というわけで 先日 さっそくディーラーに試乗に出かけた。派手さはないし スポーツカーのような機敏さもない。しかし 実にイメージ通りの運転のしやすさで しっかりとしている。後部座席もかなりの余裕だ。しかし 驚いたのはこの9年間のハイテクの進化だ。大きなパネルが前方にあり ほとんどすべてがタッチ操作なのだ。もちろん スマホと連動しているので 車両位置やドアの開閉やナビなどすべてスマホ連動。スマホさえあれば どこに駐車したか迷うことなどない。スマホも満足に使っていない身としては 慣れるのにやや時間がかかるかもしれない。ただし これも慣れだろうし ボケ防止にはいいだろう。しかも 車に12個のセンサーがついており 危険を察知して警告が鳴ったり自動ブレーキがかかったりと 普通ではぶつかりようがない。ガソリン車であることには多少罪の意識を感じるが そこは目をつむってこれにしようと心に決めた。
そこまではよいのだが 売れ行き好調のためにこのディーラーには在庫ゼロ。しかもコロナの影響で時期入荷の見通しが不明という。現在 他ディーラーに問い合わせ中である。
2021年10月 老いの花
先日 BSテレ東の「武田鉄矢の昭和は輝いていた」でフランク永井の特集をしていた。フランク永井と言えば「有楽町で逢いましょう」で有名な昭和を代表する歌手だ。作曲家 吉田正に見いだされ コンビで数々のヒット曲を残している。
そのヒット曲の一つに「おまえに」がある。吉田正が妻への感謝を込めて曲を作り 岩谷時子が詩をつけている。吉田正は当初からフランク永井に歌わせるつもりだったが 同時に当時34歳の彼はこの歌を歌うには若すぎると感じていた。一方で 歳をとるとともにどのようにこの歌を歌いこなせるようになるかに興味を持った吉田正は 結局 数年おきにレコーディングをし その成長を確かめるという長期計画を思いついた。
実際 この曲は 計画通りに3度レコーディングされている。フランク永井34歳の時 40歳の時 そして 45歳のとき。実に11年をかけた長期プロジェクトだ。第1回目のレコーディングではB面だったが 第2回目からA面になっている。そして 最後の45歳バージョンで 「おまえに」は大ヒットとなった。番組では 34歳バージョンと45歳バージョンの二つを聞かせてくれたが まったくの別物。もちろん45歳の歌に圧倒的な軍配だ。武田鉄矢は 時機を得て輝きを放つ若い花には勝てないが 老いの花というのもあるとコメントした。
私事だが 人を教える教育研修という仕事にも確かに「老いの花」がある。私はライティング思考法「ピラミッド原則」を教えてすでに30年になる。30年も同じことを教えているとだいたい極めた感はあるのだが それでも いまだに新たな気づきがある。内容というよりも教え方だ。内容的にはほぼ極めているのだが これをどう教えたらよいかという点では到達点はない。正直30年前の教え方と今の教え方はかなり違ってきているし 教材は今でも半年に一回バージョンアップを繰り返している。どちらの教え方がよいのか 手前味噌で恐縮だが 圧倒的に今の教え方の方がよいように思う。あたかも「おまえに」の詩や曲は基本同じなのだが 歌い方がまるで違うのに似ている。
私の研修では 研修の終わりに 「一日一回15分使い 簡単なピラミッドを書きなさい。これを4カ月続けて ピラミッド思考を習慣化させなさい。テーマは日々のビジネスを対象にするのがよいが 何でもよい。習慣化が目的なので ごく簡単なもので構わない」と伝えることにしている。先日 研修を受講した方から「一日一回ピラミッドをやっているがネタの見つけ方で苦労している」というメールを頂いた。今迄この種の質問には「何でもよいから 日々感じた問題点を対象にすればよい。あるいは 今日出したビジネス・メールをピラミッド型に作り直してもよい」などと答えていた。でもふとこれじゃ伝わらないかもと考えた。考えた挙句 以下のような返信を書くことになった。
「日々業務で疑問に思うテーマを拾い そのテーマに関して上司やお客に報告書や提案書を書くことをイメージしなさい。その報告書や提案書をどんなロジック構成にすればよいか 仮説的でよいので簡単なピラミッドを組み立ててみます。例えば ① …が今の問題を引き起こす最大の原因だ。そう判断する根拠は第一に… 第二に… 第三に…(報告書)、例えば②問題解決のために…プロジェクトを立ち上げるべきだ。このプロジェクトの目的は… このプロジェクトの構成は… このプロジェクトのチーム体制は…(プロジェクト提案書)、例えば③問題解決のために…すべきだ。第一ステップとして…し、第2ステップとして・・・し 第3ステップとして…(行動計画)など」。
返信メールを出した後に考えた。なるほど。こういう風に説明すれば 日常業務をこなす際に 常に問題意識を持って仕事をするという姿勢が必要なことが分かる。ネタ探しが日々の問題意識につながるのだ。また一つ教えのヴァリエーションが増えた。またひとつ賢くなった。まだまだ老いの花は枯れてはいないようだ。
2021年11月 さようなら立憲民主党
私は過去の国政選挙で自民党に投票したことがない。はっきり言って根っからの権力嫌いなのです。というわけで 民主党政権がめちゃくちゃな失敗に終わった後も 応援の意味を込めて 最大野党だった立憲民主党に投票してきた。その私が 今回だけは 立憲民主党への投票はやめることにした。そしておそらく今後もだ。というよりも 次の選挙では立憲民主党という名前すら残らないかもしれないのではないかと思っている。
きっかけとなったのは6月に行われた枝野代表の日本外国特派員協会での演説だ。彼は着々と準備が進んでいた東京オリンピックを今すぐ中止か一年後に延期すべきだと言い放った。そして 「IOCとの交渉が難しいのなら 関係者の出入国を規制すればよい。出入国の権利は政府が持っているのだから強引にでも開催を中止することは可能だ」と言った。これがあと一か月半後に迫った時の野党第一党代表の発言なのだ。しかもそう発言したときの枝野代表はまさに自分の発言に自信満々のしたり顔だった。
このテレビ報道を見て これはダメだと確信した。外交音痴どころか 国際センスのかけらもない。まさに自民党には何でも反対 理由など後からつければよいという感じだった。大昔の何でも反対の社会党のデジャブである。というよりも 昔の社会党は政権奪取など考えない批判政党として存在していたのでまだ許せる。立憲民主党は真顔で政権奪取を狙うと公言している党なのだ。残念至極というしかない。
これは立憲民主党が共産党との間で 閣外協力と候補者一本化を約束する前の話だ。しかし 上記のテレビ報道の印象が強かった私にとって 共産党との連携話など「なるほど」以外の何物でもない。立憲民主党に籍を置く小沢一郎氏が二大政党制を目指して小選挙区を作った時 彼の頭に会ったのは米国の共和党と民主党のはずだ。これだったらわかる。しかし 枝野代表が目指している二大政党制とは 自民党vs大昔の社会党のように見える。これではいつまでたっても政権交代など起きるはずがない。かつての自民党長期政権でずっと見てきた光景だ。
さて それでは私の票はどこに行ったのか。そりゃ 日本維新しかないでしょ。議員数を減らせ 議員歳費を減らせと言ったのは維新だけだし 大阪都構想で見せた粘りは記憶に新しい。コロナでみせた吉村府知事の行動力も印象深かったし ともかく地方で確実にやるべきことをやってからという まとも感がある。いろいろ問題議員は多そうだけれども それを補う世代交代感も強く感じる。あとは代表辞任を表明した松井代表なきあとのリーダーシップだ。ここを乗り切れれば もしかすると 日本維新は大化けするかもしれない。今回の立憲民主党の低迷と維新の躍進は決して一時的な流行ではない気がしてならない。
2021年11月その2 新車納入
今日 新車が納車された。VWゴルフ・ヴァリアントという今年8月に新モデルが登場したステーション・ワゴンだ。
今迄夫婦二人ということもあり アルファロメオのジュリエッタというコンパクト・カーに乗っていた。特段クルマに関心が深いわけではない。9年前 夫婦二人でそんなに大きな車に乗る必要がなくなった時 アルファロメオの出した新型モデルが目に入った。その新型モデルの紹介記事を見ていたら 40数年前の大学建築学科の同級生にアルファロメオ大好き人間がいたことを思い出した。たしか大学生の身分でアルファロメオの中古を乗り回していた。なぜかその頃 彼が熱っぽく語っていたアルファロメオという響きが記憶に蘇り ついつい乗ってみたくて仕方ないような気になった。
アルファロメオは確かに美しい。しかも 昔と違い 故障とはほとんど無縁だった。また たとえコンパクト・カーであっても走りの遺伝子は健在。ステアリングの動きをきびきびと伝える走りはとてもよくできた車だと思う。ただし 9年乗った今 個人的な事情のため もう少し後部座席が大きく 荷物も入るクルマが必要となった。
色々考えた末に 次に買うクルマはステーション・ワゴンと決めた。設定したクルマ選びの判断基準は車の大きさだ。車幅はアルファロメオより短いこと。つまり 1800mm以内。私の歳で世田谷の狭い道を運転するにはやはり車の幅が重要だ。車長は今より300mmくらい長め。つまり 4650mmくらいがいい。あとできればだが 乗り心地に影響するホイールベースは長ければ長いほどよい。
ところがホイールベースどころか 車幅と車長で私の基準にかなうクルマがほとんどないことに気づいた。ベンツもアウディもBMWも欧州の高級車はすべて1800mmを超す車幅。さすが日本車はそれほど大きくはないが それ以前に 日本車はSUV全盛期。そもそもステーション・ワゴンというものが数えるほどしかなくなってしまった。
ひそかにプリウス・アルファ(プリウスのステーション・ワゴン版)の新モデルを期待していたが 新モデルどころか昨年に廃版が決定。今 日本のステーション・ワゴンと言えば カローラ・ツーリングとスバル・レヴォーグくらいだ。しかし カローラ・ツーリングは若干短すぎるし スバル・レヴォーグは若干長すぎる。
それにしても不思議なのがカローラ・ツーリングだ。この車のサイズは「1,745x4,495mm, WB:2,640mm」。しかしよく調べると日本よりも一足先に発売されたカローラ・ツーリングの欧州版は「1,790x4,650mm, WB:2,700mm」。そう これこそが私の求めているサイズなのだ。もちろんハイブリッドありだ。なぜ今の時代 トヨタはわざわざ日本向けに小さなモデルをだしたのか 不思議でしょうがない。車幅も車長もホイールベースも欧州版と違うのだ。名前を別にすれば もはや違うクルマだ。調べると この欧州モデルは某業者により日本にも並行輸入されている。私のような思いをする人もいるわけだ。
結局 あれやこれやと考えた時 今年の8月初めに売り出されたのが VWゴルフ・ヴァリアントだった。サイズは「1,790x4,640mm, WB:2.670mm」。カローラ・ツーリングの欧州モデルとほぼ同じサイズ。どう見ても ステーション・ワゴンを買おうと思っているならばこのサイズになると思うのだが・・・。残念なのはガソリン車しかないこと。これは私の個人的なニーズを優先し 目をつぶることにした。
乗った印象?まず今時のクルマの操作に驚いた。この9年の間にここまで進化していたとは気づかなかった。進化というよりはスマホ化と言った方がよい。操作はほとんどがタッチパネル。スマホと同じだ。もちろんスマホとの連携が前提(ただこれは進化の過渡期のためか接続がよく切れる)。CD機能もなければSDカードも読み取れない。あるのはUSBポートが2つと多彩なBluetooth機能。70過ぎでガラケーを手放せない友人が 今の新車は運転できないと言っていたが その通りだ。
もちろん スマホと同じく ナビ画面などのマニュアルはない。使い方はユーチューブの操作法紹介で勉強するしかない。現状 操作で手一杯で 走りの印象まで頭が回らない。少なくとも 老化防止の頭の運動にはなる。よほどのことがない限りぶつからないし 適度な高齢者向きと言えるかもしれない。
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